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こんにちは。
毛利まさるです。
「自由に発想してください。」
そう言われた瞬間、あなたはスムーズに
考えを巡らせることができるでしょうか?
それとも、頭の中が真っ白になり
何をどう考えればいいのか分からなくなるでしょうか?
もし、すぐにアイデアが浮かぶのであれば
それは発想が豊かな証拠であり
あなたは特別な才能を持っているのかもしれません。
ですが、多くの人にとって、
「自由に考えていい」と言われることは
かえって負担になるものです。
「ランチ、どこに行きますか?」と聞かれると
即答できる人は意外と少ないものです。
和食もいいし、中華もいいし、
カフェで軽く済ませるのもありかもしれない……
そう考えているうちに、なかなか決められなくなってしまう。
でも、「ラーメンとうどん、どっちがいい?」
と聞かれたらどうでしょうか。
たった二択になっただけで、選びやすくなるのではないでしょうか?
これは、選択肢が多すぎることが必ずしも幸せにつながらない、
という一つの例です。
選択肢が増えれば増えるほど、人は迷い、
決断に時間を取られ、場合によってはストレスさえ感じてしまいます。
私は以前、クリニックで診察を受けた際、
処方される薬について医師から詳しく説明を受けたことがあります。
「この薬はこういう効果があって、副作用はこうです。
こちらは別の作用があり、こんな違いがあります……」と、
約10種類ほどの薬について説明を受けました。
医師は親切心から丁寧に説明してくれていたのでしょう。
ですが、正直なところ、途中から
「もうどれが良いのかわからない……」
という状態になってしまいました。
最終的には、「おススメのものでいいので、処方してください」
と伝えることになりました。
この経験を通じて強く感じたのは、
「選択肢が多すぎると、人は決断できなくなる」ということです。
たとえそれが、自分にとって重要なことであったとしても、
選択肢が多すぎると、かえって選びにくくなり、
結果的に思考が停止してしまうのです。
この話は、ビジネスの場面でも同じことが言えます。
たとえば、営業の場面で「どんな商品をお探しですか?」
と漠然と聞かれるよりも、
「Aの商品とBの商品では、どちらが良いですか?」
と聞かれたほうが、お客さんは選びやすくなります。
選択肢を限定することで、相手は余計な負担を感じることなく、
自分にとって最適なものを選びやすくなるのです。
このことを踏まえると、提供する選択肢を増やせば増やすほど、
相手にとって親切になるとは限らないことがわかります。
むしろ、選択肢を適度に絞ることが、
相手にとって本当の意味での「親切」なのかもしれません。
もしあなたが商談をする際に
「選択肢が多くなってしまっている」
と感じることがあるなら、
一度、自分の選択肢を整理してみてはいかがでしょうか。
選ぶべきものを明確にし、不要なものを手放すことで、
本当の自由と幸福を手に入れることができるかもしれません。