苦手な質問、どう切り出す?“聞けない営業”を卒業する

こんにちは。
毛利まさるです。

苦手なことからつい目をそらしてしまった経験はありませんか?

たとえば商談中、「この人、決裁権あるのかな?」
「予算ってどれくらいなんだろう?」
と疑問に思いつつも、なかなか聞けなかった…
そんなセールスメンタルの壁にぶつかったことはないでしょうか?

自分でも「聞いた方がいいのはわかっている」とわかっていても、どうしてもその一歩が踏み出せない。
結果的に、あとから「やっぱり聞いておけばよかった」と反省することになってしまう。
これ、営業をやっている人なら誰しも一度は通る道です。

でも、それを「苦手だから」と済ませてしまうのは、ちょっともったいないんですよね。

「なぜ苦手なのか」を分解してみよう

まず大切なのは、「なぜそれが苦手なのか?」を自分なりにちゃんと見つめてみることです。

たとえば、「決裁者かどうかを聞けない」のは、相手に失礼だと思っているからかもしれません。
「予算を聞きづらい」のは、相手に“お金の話ばかりする人だ”と思われたくないからかもしれません。

ここで一つ覚えておいてほしいのは、セールスメンタルにおける“苦手意識”というのは、
実は「失敗したらどうしよう」という恐れと結びついていることが多いということ。

「嫌われたくない」
「ダメと言われたくない」
「変な空気にしたくない」。
その気持ちはとてもよくわかります。
私も同じように思っていました。
…いや、正確に言えば今でも思います(笑)。

苦手という感情は、悪ではない

ここで強調しておきたいのは、「苦手だ」と感じること自体は決して悪いことではないということです。

むしろ、その感情があるからこそ人に優しくなれたり、慎重に相手と向き合えたりもするわけです。

しかし、だからといってそのままにしておくと、いつまでも“聞けない営業”のままです。
結局のところ、お客さまは「質問してほしいことは聞いてくれる人」に信頼を寄せるのです。

「わかってくれてるな」「ちゃんと向き合ってくれてるな」と思ってもらえるかどうかは、
あなたが苦手だと感じることにも一歩踏み込めるかにかかっています。

苦手克服の第一歩は「聞き方の型」を覚えること

よくある話ですが、「予算感が聞けない」と悩んでいる方に聞くと、実は「どう聞いていいかがわからない」だけだったりします。

つまり、気持ちの問題というより“技術”の問題であることが多い。

たとえばこんな風に言ってみてください。

「ちなみにですが、過去に同様のご相談を受けた際には●●万円ほどのご予算でした。今回もだいたいそのあたりをイメージしても大丈夫でしょうか?」

このように「他の例を挟む+仮説を提示する」ことで、相手の心理的ハードルはぐっと下がります。

つまり、「苦手だな…」と感じたら、
まず“どう聞けばいいか”という具体的なセールスメンタルのスキルとしての解決策を探してみましょう。

成長する人は、苦手を“観察”する

苦手意識を放っておくと、どんどんそれが拡大していきます。

しかし、一度でも「なぜ苦手なのか」「どうやったら乗り越えられるのか」を丁寧に観察した人は、その後の仕事の精度が一気に上がります。

これは野球で例えるなら「バッターボックスで苦手なコースをビデオで見直して対策する」ようなもの。
苦手があること自体は問題ではなく、それを“見ないふり”してしまうことが問題なんです。

私自身、昔は「予算」の話を聞くのが本当に苦手でした。
でも「聞かなかったことで、もっと相手に迷惑をかけてしまった」という経験をしてから変わりました。

怖さを乗り越えた人にしか見えない景色がある。それを覚えておいてください。