
こんにちは。
毛利まさるです。
喉が渇いている人に未来の話をしていませんか?
「相手のためを思って話したのに、全然響いてくれなかった」
そんな経験はありませんか?
確かにあなたの提案は素晴らしいもので、きっと将来的には相手の利益につながるはずです。
しかし、相手が今、まさに困っていることがあるとしたら、あなたの話はどこか遠くの世界の話に聞こえてしまうのです。
「砂漠の真ん中で、将来の資産形成の話をされても、今は水が欲しい」
これは、極端な例のようでいて、実は日常的に起こっているコミュニケーションのズレです。
人が動くのは“未来”ではなく“今”が起点
セールスメンタルにおいて大事な考え方は、「人は感情で動く」ということです。
論理で納得することはあっても、最初の一歩は必ず感情です。
人が何かしらの行動を起こすとき、それは「今、どうにかしたいこと」があるからこそです。
「将来のメリット」ももちろん大事ですが、それだけでは動いてくれません。
まずは相手の“今の喉の渇き”に気づいてください。
そしてその渇きをどう潤すかを一緒に考えてみてください。
理想よりも現実に寄り添う
相手の人生を変える提案をしたい。
その気持ちはよくわかります。
私も何度もそういう提案をしてきました。しかし、現実は甘くありません。
どれだけ理想を語っても、今がしんどい人には響かないのです。
「子どもに良い教育を」と提案したところで、目の前の生活費に困っている家庭には届きません。
まずは、目の前の問題を共に解決する。
あるいは、「わかります」と共感して、孤独から引き上げる。
そうすることで、はじめてあなたの言葉が“聞こえる”ようになるのです。
自分の言いたいことより、相手の聞きたいこと
セールスメンタルを鍛えるうえで、いちばん大切なのは
「自分の正論より、相手の事情」です。
あなたが語る内容がどれだけ正しくても、相手が聞く準備ができていなければ意味がありません。
それは「満腹の人にフルコースを出す」ようなものです。
相手が今、何を求めているのか。それを把握するには、聞く力と観察力が必要です。
そして何よりも「この人の人生を本気で考えている」という誠意が必要です。
動いてもらうには、今の渇きを知ること
セールスメンタルにおいて最も大切なのは、“今この瞬間”の相手の状態を理解することです。
メリットを語る前に、相手の困っていることを聞きましょう。
未来の話の前に、今をどうするかを一緒に考えましょう。
そうして初めて、あなたの提案は“現実的な選択肢”として受け入れられるのです。