専門用語と平易な言葉の使い分けをする商談を加速させる記憶の活用法

こんにちは。
毛利まさるです。

人の記憶にあるものはショートカット

あなたはウェザリングという言葉を知っていますか?

ウェザリングとは、模型やプラモデルなどの表面に、風化や経年劣化、使用感などを再現する塗装技術のことです。

具体的には、汚れや錆、傷、塗装の剥がれなどを表現して、よりリアルな外観を作り出します。

この言葉を知らない人には、こうして細かく説明する必要があります。

しかし、もし相手がその言葉を知っていれば「ウェザリングです」と一言で済みます。

これが専門用語の便利さであり、人の記憶に存在する情報を使うことの強みです。

専門用語は最強のショートカット

言葉には、相手の頭の中で瞬時に意味を展開させる力があります。

知っている言葉であれば、説明を省略でき、短時間で本題に入れます。
これが「人の記憶にあるものはショートカットになる」ということです。

しかし、全員が同じ知識を持っているわけではありません。

自分にとって当たり前の言葉でも、相手にとっては未知の用語である可能性があります。
その場合、いきなり専門用語を使っても理解が追いつかず、会話が空回りすることがあります。

仕事術としての言葉の使い分け

仕事術の観点から見ると、商談や打ち合わせでは「相手の記憶にある言葉」を見極めることが重要です。

例えば、業界内では常識のように使われる略語や専門用語も、他業種の人や新規顧客には通じないことがあります。

逆に、相手が詳しい分野であれば、専門用語を使った方がスムーズに話が進みます。

つまり、会話の中で相手の表情や反応を観察し、
「どの程度まで専門用語を使うか」「どの部分をかみ砕いて説明するか」を判断することが、
円滑なコミュニケーションの鍵になるのです。

専門用語の落とし穴

専門用語は便利であるものの、それに頼りすぎると弊害もあります。

ひとつは「相手との距離を生む」というリスクです。
相手が理解できない言葉を多用すると、無意識に「自分にはわからない世界の人」という印象を与えてしまいます。

これは信頼関係を築く上でマイナスです。

もうひとつは、「わかっているつもり」にさせてしまうことです。

専門用語を知っている相手でも、細部の意味やニュアンスまで同じ理解をしているとは限りません。
ここを確認せずに話を進めると、後で認識のズレが発覚し、手戻りが発生することがあります。

言葉を武器にするための3つのポイント

  1. 相手の知識レベルを探る 会話の初期段階で、相手がその言葉を知っているかを確認する質問や雑談を挟む。
  2. 説明の階層を準備する 専門用語を使う場合、その言葉を知らない人向けの説明も同時に用意しておく。
  3. 反応を観察する 相手がうなずく、笑顔になる、逆に眉をひそめるなどの反応から、理解度を見極める。

記憶にある言葉を引き出す技術

商談で「相手の記憶にある言葉」を引き出すことができれば、会話は加速します。

例えば、「御社の取り組みは、いわゆる○○戦略に近いですよね」
と相手が知っているフレーズを使えば、「そうそう、それです!」と反応が返ってきます。

これは相手の頭の中でイメージが即座に再生され、説明時間が大幅に短縮されるからです。

このように、相手が覚えているフレーズや経験を呼び起こすことで、
会話はショートカットでき、より本質的な議論に時間を割くことができます。

まとめ

「人の記憶にあるものはショートカットになる」というのは、ただの会話テクニックではなく、
相手の理解度に応じて適切な言葉を選ぶ仕事術です。

ウェザリングのように、知っている人には一言で済む説明も、知らない人には丁寧な解説が必要です。
商談や打ち合わせでは、相手の反応を読み取りながら、専門用語と平易な言葉を使い分けることが成果につながります。