売れない理由は、共感が足りないだけだった:セールスに必要な“相手の心を読む力”とは?

こんにちは。
毛利まさるです。

セールスの現場で「なんでこの人、こんなに頑ななんだろう」と思った経験はありませんか?

「いい話をしているのに、なぜ伝わらないんだろう」
「提案の内容は明らかにメリットがあるのに、なぜ断られるんだろう」
そんなもどかしい思い、セールスをしていると誰もが一度は経験しますよね。

実は、そのもどかしさの正体。
それは、共感力の欠如から来ていることがほとんどなんです。

表面的な理由の奥にある「本当の理由」

セールスでは、「時間がないので」「今回は予算の都合で」「上司の判断が必要で」といった“表の理由”を相手から提示されることがあります。
しかし、その背景にはもっと人間らしい“裏の理由”が隠れていることが多いのです。

たとえば、「時間がない」という言葉の裏に、「この会社と付き合うことで得られる未来が見えない」とか、
「今これ以上仕事を増やしたくないくらい、精神的に追い詰められている」といった感情が潜んでいることもあるのです。

この“感情”を汲み取る力こそが、セールスメンタルに必要不可欠な「共感力」なのです。

時間がないのか、権限がないのか、それとも他人との関係なのか?

「なぜ、この人は決断できないのか?」という問いに対して、ぜひ一度、こう分解してみてください。

  • 時間的な余裕がないのか?
    費用の制約があるのか?
    自分には決裁権限がないのか?
    他部署や上司とうまくいっていないのか?
    あるいは、過去に似た提案で失敗した苦い経験があるのか?

相手が表に出さない“感情”や“事情”に、想像力を働かせることができれば、セールスはただの「押し売り」ではなく、「相手の人生を助ける会話」になります。

まずは「味方である」という姿勢を示そう

人は“敵”には本音を語りません。しかし“味方”には心を開きます。セールスにおいても同じことが言えます。

「この人は売りつけようとしているな」と思われた瞬間、どれだけ論理的に正しいことを言っても、相手の心には響きません。
しかし、「この人は、自分の立場を理解してくれている」と感じた瞬間、会話の空気は変わります。

ですので、相手が困っていそうであれば、提案を一旦横に置いて、まずは「大変ですよね」と共感することから始めてみましょう。
意外にも、それだけで相手が心を開くことがあります。

目の前の問題を一緒に背負ってあげる気持ち

セールスとは、商品を売る仕事である以前に、「目の前の人の困りごとを一緒に背負う仕事」です。

「この人は、上司とうまくいっていないから、新しいことに手を出しづらいのかもしれないな」

「他部署が非協力的だから、彼女一人で進めるには限界があるのかもしれないな」

そう気づいたとき、あなたの役割は“売る”から“支える”に変わります。

支えてくれる人に対して、人は信頼を寄せ、そして信頼した人から買います。
セールスメンタルとは、心の奥にある“助けたい”という気持ちをベースにした在り方そのものなのです。

共感力とは「寄り添う想像力」

共感力とは、決して感情的に寄り添うだけではありません。
相手の状況、立場、気持ち、置かれている環境を冷静に想像して、どのような言葉や提案が一番心に響くかを考える“技術”でもあります。

共感力があるセールスは、相手の言葉に一喜一憂しません。
なぜなら、その背景にある理由を推測し、理解しようとする姿勢を常に持っているからです。

そしてその姿勢が、やがて相手の信頼を生み、長く続く関係性へとつながっていくのです。