決裁者を動かすセールストーク

こんにちは。
毛利まさるです。

「上に確認しますね」と言われた経験はありませんか?

商談が盛り上がって、「これはいけるぞ」と思った矢先、相手からこう言われたことはありませんか?

「ありがとうございます。では、上司に確認してみますね。」

……この瞬間、なんとも言えない空気になりますよね。

せっかく自分との対話では前向きな反応だったのに、
最終判断は自分ではないと知ってしまった時の、あのもどかしさ。

特にBtoB営業では、この「権限を持たない担当者」とのやりとりが非常に多いです。

つまり、あなたのセールストークは、最終決裁者に届いてすらいない可能性があるのです。

権限者に届く言葉を、あなたが用意する

ここで大切なのは、「じゃあ、上司をお願いします」と無責任にパスすることではありません。

むしろ、こう考えてください。

  • 「この方が、上司を説得できる材料を自分が提供してあげるんだ」と。

あなたが話した熱量やメリットが、そっくりそのまま伝わると思ってはいけません。

営業担当が上司にプレゼンする際の「口調」「表現」「要点」は、あなたが用意してあげる必要があるのです。

なぜ、代理の人にトークを用意すべきなのか?

代理の方は、あなたの商品やサービスの専門家ではありません。

また、上司にプレゼンする経験が豊富というわけでもありません。

ということは、そのまま話すと――

  • 話が長くなりすぎる
  • 専門用語が伝わらない
  • メリットが薄まる
  • 「で、何がいいの?」と上司に突っ込まれる

……といった事態が起こるわけです。

そこで、あらかじめ「これを言えば刺さる」というセールストークを短く、
シンプルにして伝えるのです。

具体的にどう用意するか?

ポイントは3つあります。

  1. 上司視点のメリットを明示する 「現場が楽になります」ではなく、「部署としての効率が上がる」「コスト削減につながる」といった言い回しにする。
  2. 数字を使う 「大変だった業務が改善されます」では弱い。「作業時間が1日2時間削減され、月40時間分のリソース確保になります」など、定量的な表現を使いましょう。
  3. 「短文+フック」で伝える たとえば、「営業日報を1分で書けるツールです。月100時間の作業時間が浮きます。」といったように、パワーワードで印象に残しましょう。

「伝える」ではなく「伝わる」を意識する

ここで重要なのは

あなたが話したいことを話すのではなく、「相手の頭の中でリピートされる言葉」にすることです。

そうしなければ、決裁者には響かないのです。

BtoCでも実は同じ構造

たとえば家電量販店で、ある若い男性が製品を見ていました。
あなたが丁寧に説明したあと、彼はこう言います。

「……一回、親に聞いてきます。」

このときも、あなたは“代理のプレゼンター”にトークを託す必要があります。

「お父様にこうお伝えください。『耐久性が高く、電気代も月500円は下がるって』と。」

つまり、BtoCであっても、セールストークは「第三者への伝達力」が問われているのです。

権限者を動かすのは、あなたの設計力

最後に大切なことを一つお伝えしておきます。

担当者に伝えた時点では「60点」でも構わないのです。
むしろ「この話、上司に伝えたら刺さるかも」と思わせる設計こそが勝負です。

伝言ゲームで負けないためには、「内容」だけでなく、「構造」を考える。

これこそが、セールストークにおける“裏の勝負”なのです。