
こんにちは。
毛利まさるです。
「トークスクリプトを準備しても、その通りにいかなくて結局ムダだった…」
そんな経験はありませんか?
たしかに商談の現場では、相手の反応によって会話があっちへ飛び、
こっちへ戻り、とてもスクリプト通りには進みません。
であるものの、それを理由に「スクリプトなんて意味ない」と切り捨ててしまうのは、
ちょっともったいない話なのです。
私がなぜ「セールストークにはスクリプトが必要」と思っているのか。
今日はその理由をあなたと一緒に考えてみたいのです。
スクリプトは“ナビ”である
まず、トークスクリプトを「読み上げる台本」と思っていませんか?
それ、違います。
私に言わせれば、スクリプトはGPSナビゲーションです。
初めて行く場所。どの道が混むかもわからないし、交差点の数も把握していない。
そんなときに、ナビがあると安心しますよね?
曲がるポイントも、現在地も、目的地もわかっている。
多少の渋滞や迂回があっても、「今どこか」がわかるから、安心して進める。
セールストークも同じです。
お客さんの反応が予想と違っても、
「あ、いまここまで話せてるな」
「ちょっと順番は前後したけど、あの話はまだ出せていないな」と、
自分の立ち位置が見えている状態。
この状態をつくるために、トークスクリプトが必要なのです。
スクリプトのない商談は、地図のない登山と同じ
たとえばあなたが富士山に登るとします。
でも、地図なし。GPSもなし。どのルートを通ればいいかもわからない状態で、
登山道に放り出されたらどうでしょうか?
「なんとなくこっちかな」と登っても、途中で道を間違えるかもしれないし、
今どの標高にいるのかもわからない。これは商談でも同じです。
スクリプトがない状態のセールスは、まさに地図なし登山です。
一見スムーズに進んでいるようでも、お客さんの理解が置き去りになっていたり、
肝心のクロージングポイントを見失ったりします。
スクリプトがあるから、ズレにも気づける
お客さんの反応が思ったより薄いとき。
「この話、もう少し深掘りしようか」
「次の話にいって大丈夫かな」
と不安になりますよね。
そんなとき、スクリプトが頭の中にあれば、
「いま、自分がこの話の“どこ”にいるか」が把握できて、
相手の理解度とのズレにも気づけるのです。
これができると、会話の修正が早い。話を戻すこともできるし、
逆に“前倒しで提案してみる”という柔軟な展開もできるようになる。
つまり、トークの骨組みがあるからこそ、自由に動けるようになる。
これこそが、セールスでスクリプトを持つ最大のメリットなのです。
スクリプトは“あなた専用の思考地図”になる
もうひとつ、スクリプトには重要な役割があります。
それは、「自分の頭の中を見える化する」という役割です。
セールスの話って、実はけっこう自分の“クセ”が出ます。
たとえば「つい自社商品の話ばかりしちゃう人」や、
「導入のメリットをすっ飛ばしてクロージングに入っちゃう人」など。
スクリプトを文字に起こしてみると、自分の思考の偏りや、話の流れのクセが一目瞭然になります。
これを繰り返していくと、徐々に
「どこで相手が納得してくれたのか」「どの言い回しが響いたのか」など、
再現性のあるセールストークが組み立てられるようになります。
つまり、スクリプトは思考の資産化でもあるのです。