
こんにちは。
毛利まさるです。
世の中には
「たった3分で○○ができる」
「読むだけで成功する」
「聞くだけで成果が上がる」といった、
甘い響きの情報が溢れています。
まるで魔法のように簡単に、
誰もが“達人”になれるような錯覚すら抱かせるタイトルが並び、
それに惹かれてしまうのは無理もありません。
では、ここで私も一つ
「3分で達人になれる方法」をご紹介しましょう。
用意するものはお湯だけです。
調理は不要です。
カップのふたを開けて、お湯を注ぎ、
3分待つだけで完成します。
……もうおわかりですよね。
それは、カップラーメンです。
この話を聞いて、あなたはきっとこう思ったことでしょう。
「は?それだけ?だから何?」
まさにそうです。
たしかに、カップラーメンは3分で“ラーメン”が完成します。
けれど、それは本物のラーメン店が
数十時間かけて仕込んだスープや、
熟成された麺と同じ価値があるかといえば、答えはノーです。
これはセールスのノウハウにも同じことが言えます。
インスタントで習得できる知識やテクニックは、
誰にでも真似できるがゆえに、
すぐにコモディティ化し、優位性を失います。
誰でもできるということは、
誰にも差別化できないということなのです。
もちろん、即効性のある小技や
テンプレートが悪いわけではありません。
むしろ、それらは現場でのスピード感を上げるために必要です。
であるものの、それらだけに頼るようになってしまうと、
自分の頭で考える力を失ってしまいます。
本質的なセールススキルとは、
相手の課題を掘り下げ、対話を通して信頼を築き、
最適な価値を提案する力です。
それには時間と試行錯誤が必要です。
地道に磨き続けるからこそ、
プロフェッショナルとしての強みが生まれるのです。
つまり、3分で身につくノウハウに依存する姿勢そのものが、
成長を止めてしまっているのです。
「簡単にできること」ばかりを探している人は、
「簡単に替えの利く存在」に成り下がってしまいます。
セールスにおいて真実を求めるというのは、
自分自身の言葉で伝え、相手と誠実に向き合い、
結果が出るまで試行錯誤し続ける覚悟を持つことです。
それは決して派手ではありません。
しかし、だからこそ本物の信頼と成果に繋がるのです。
本質を学び、本質を体得するには時間がかかります。
だからこそ価値があるのです。
誰でもできる3分のテクニックではなく、
「3年かけて磨いた型」を持っている人が、
セールスの世界で信頼され、長く活躍していくのです。
「3分で達人になれる」といった言葉に、
あなたの大切な時間と可能性を奪われないでください。
あなたが磨くべきスキルは、
ラベルの裏に書いてある“つくり方”のように
簡単に習得できるものではありません。
しかし、それを信じて歩み続けることで、
やがて周囲と圧倒的な差がついていくのです。