わかるではなくやっている

こんにちは。
毛利まさるです。

「それ、聞いたことある!」
「知ってる、それ!」
そんな言葉を、あなた自身が使ったことはありませんか?
もしくは、周囲の誰かがそう口にしているのを
聞いたことがあるかもしれません。

セミナーや勉強会、ビジネス本の話題になると、
真っ先にそのリアクションをする人。

意識が高そうに見えるその反応は、
一見知的で前向きな印象を与えるかもしれません。

しかし、このように問いかけられたらどうでしょうか。
「それ、あなたは“やって”いますか?」もしくは
「では、それについて教えてください。」

人から学んだことや本で得た知識を
「知っている」と言える人は多いであるものの、
それを実際の仕事や行動に落とし込んで
「やっている」人は圧倒的に少ないのです。

そして、この差が、セールスという現場においては、
致命的な結果を生むことがあります。

「知っている」と「できている」は、
まるで別世界の言葉です。

たとえば、「セールスは相手の課題を解決することが目的だ」と、
誰もが口を揃えて言います。

あなたも一度は耳にしたことがあるでしょう。
しかし、実際の営業現場で、
どれだけの人が本当に“相手の課題を聞き出し、
それを解決する提案”をしているでしょうか?

それどころか、「課題って何かありますか?」
とストレートに聞いてしまう人や、
自社の商品・サービスを紹介することに
終始してしまう人も少なくありません。

つまり、「課題解決の重要性」は“知っている”けれど、
実践の中では“できていない”のです。

では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

原因は明確です。
「知識を得た時点で満足してしまっている」からです。

本を読み終えたことで、セミナーに参加したことで、
あたかも自分が成長したかのように錯覚してしまうのです。

しかし、それはまだ“スタート地点”に立っただけ。
学んだことを行動に移し、
自分の言葉で語れるようになって、
初めて「理解した」と言えるのです。

そして、その「理解した」ことを
実践してはじめて「やっている」になります。

つまり、言葉に反応して終わるのではなく、
その言葉をどう実践し、
どんな結果が出たかというところまでが、学びなのです。

評論家になりたいのであれば、
「知っている」ことを語るだけでも十分かもしれません。

しかし、セールスは違います。

セールスは“結果”でしか評価されない世界です。
あなたがどれだけ知識を持っていても、
それを活用できなければ顧客の信頼は得られません。

たとえば、「質問力が大事だ」と知っていても、
目の前の顧客の本音を引き出す質問ができなければ、
価値ある提案は不可能です。

つまり、セールスで成果を出すには、
「知っている」を「できる」に変える必要があるのです。

そのためには、学びを得たときに
「これは自分の現場でどう使えるか?」
「自分の言葉で言うならどうなるか?」
という問いを自分に投げかけることが不可欠です。

知識を得た時点で満足してはいけません。
そこをゴールにしてしまうと、
せっかくの学びが自分の血肉にならないからです。

学びの真のゴールは、「行動が変わること」であり、
そして「成果につながること」なのです。