失敗したら恥ずかしい

こんにちは。
毛利まさるです。

セールスの現場では、「恥ずかしい」という感情が、
想像以上に私たちの行動を縛りつけています。

たとえば、斬新なアイディアが浮かんだとします。
あるいは、新しい資料を作ってみた、
あるいはトークスクリプトを少し変えてみた。

頭では「これは良いかもしれない」と思っていても、
いざ実行しようとすると、
ふと「失敗したら恥ずかしいな」
という気持ちがよぎります。
そうして、アイディアは行動に移されることなく、
引き出しの中で静かに消えていくのです。

もちろん、「恥をかきたくない」
と思うこと自体が悪いわけではありません。

それは人として自然な感情であり、
社会性や自尊心の現れでもあります。

であるものの、セールスという領域において
この感情に引っ張られすぎると、大きな問題になります。

なぜなら、セールスという仕事は
「行動量」と「改善量」によって
成長の速度が決まるからです。

恥をかきたくないがゆえに行動を控えると、
そもそもの実践回数が減ってしまいます。

実践が減ると、当然ながら反応も得られず、
改善の機会を失います。

改善の機会がないということは、
成長が遅れることを意味します。

そして、成長が遅れれば、
結果として売上にも影響が出てきます。

つまり、セールスにおいて「恥」は、
ただの感情ではなく、成長のスピードを鈍らせる
「実務上のリスク」なのです。

ここで重要なのは、
「恥を感じないようにする」ことではありません。

そんなことは不可能ですし、
無理に感情を抑えようとすると逆効果になります。

そうではなく、「恥を感じながらでも行動すること」です。
つまり、恥ずかしさを感じてもなお、
一歩を踏み出すことができる“感情との付き合い方”
を身につける必要があるのです。

実際、優秀なセールスパーソンは必ずといっていいほど、
「自分の未熟さを人前にさらした経験」
を数多く持っています。

最初の商談で上司に横からすべてフォローされて
何も言えなかった。

商談で的外れな質問をしてしまった。
そんな経験を通して、自分の至らなさを受け入れ、
そこから一歩一歩積み上げてきたのです。

実を言えば、私自身もかつて、
「恥ずかしさ」に支配されていた時期がありました。

面白いアイディアが思いついても、
「自分が言うと変に思われるかな」
と口に出せなかった。

そして、気づけばまったく成長していなかったのです。
あのとき、「恥をかいてもいい」と自分に許せていれば、
もっと早くに動き出せたのにと、今でも思うことがあります。

セールスにおいて成果を出す人は、
「恥ずかしい」を感じるからこそ動かないのではなく、
「恥ずかしい」を感じながらでも動ける人です。

むしろ、恥ずかしい経験の数だけ、
改善のチャンスがあり、学びの深さがあるのです。

あなたが今、新しい行動に踏み出すことをためらっているとしたら、
それは成長の入り口に立っている証です。
その先にある「恥ずかしい」という感情を乗り越えたとき、
あなたのセールススキルは大きく前進するでしょう。