
こんにちは。
毛利まさるです。
人は“無視”に傷つく レジリエンスを支える「ストローク」という考え方
「なんでこんなに無視されてる気がするんだろう?」
あなたはそう感じたことはありませんか?
職場や学校、家庭でも「存在を扱われていない」と感じる瞬間は、思った以上に深く心にダメージを残します。
それはあなたが弱いからではありません。
人間という生き物が本質的に“承認”を必要とする生き物だからなのです。
ストロークとは何か?
心理学の世界に「ストローク」という概念があります。
これは、簡単に言えば「人からの反応・承認・ふれあい」のことです。
肯定的なストロークには、「ありがとう」「助かったよ」「君の意見、いいね」などがあります。
逆に否定的なストロークは「なんでそんなことしたの?」「本当に使えないなあ」といったもの。
一見、否定的なストロークは傷つけるだけに思えますが、実は“ない”よりはまだマシなのです。
なぜならば、人はストロークがまったくもらえない、つまり“無視”される状態に最も強く傷つくからです。
肯定的なストロークがないと、人は否定的なストロークを求める
不思議な話ですけど、心理学的に
「肯定的なストロークがもらえないと、人はあえて否定的なストロークを取りにいく」という傾向があるとされています。
たとえば、授業中にふざけて先生に怒られる生徒。
家庭で褒められない子どもが、親の気を引くために問題行動を起こす。
どちらも「怒られてでもいいから、自分の存在を認めてほしい」という叫びなのです。
つまり、人にとって最もつらいのは「見られていないこと」なのです。
それだけ、ストロークは人の精神を支える栄養素といえるのです。
ストロークは職場の“空気”を変える魔法
仕事場で一番つらいのは、叱責ではなく「無関心」だったりします。
頑張って提出した資料に何の反応もない。朝の挨拶を返されない。ちょっとした質問をスルーされる。
これが何度も続くと、「自分なんていない方がいいのかも」と、気持ちがどんどんしぼんでしまいます。
しかし、ほんの一言で、人の心はふっと元気になるのです。
「いつも助かってるよ」
「その考え、面白いね」
「昨日の提案、上司が褒めてたよ」
こうしたストロークがあれば、どんなに忙しくても、「またがんばろう」という気持ちがわいてくるのです。
まずは“自分から”ストロークを渡す側になろう
「そんなこと言われたことない」と思ったあなた。
それなら、自分からストロークを与える側に立ってみることをおすすめします。
「ありがとう」「ナイスでした」「手伝いましょうか?」
たったそれだけで、相手の表情が明るくなるのがわかるはずです。
そして、驚くことに、ストロークを出す側も癒やされていくのです。
人間関係は鏡です。あなたが与えたものが、めぐって戻ってくるのです。
ストロークは人の心の“燃料”である
あなたの何気ない一言が、誰かの人生の光になるかもしれません。
そして、それはあなた自身のレジリエンスを高めてくれます。
なぜならば、ストロークを通じて得られる“つながり”こそが、人の心を一番強くするからです。