易きに流れた人の末路

こんにちは。
毛利まさるです。

セールスの現場では、商談を成功させるために
「正攻法」以外の方法が使われることがあります。
たとえば、値引きや接待といった手段です。

もちろん、これらの方法を否定するつもりはありません。
会社の方針に沿って行い、それで売上が上がるのであれば、
それは十分に評価されるべき成果です。

しかし、ここで注意すべき点があります。

それは、セールススキルそのものを磨かずに、
値引きや接待に頼ることで契約を獲得していた場合です。

私の周りにも、そうした人がいました。

値引き交渉が得意で、
接待によって顧客との関係を築くのが上手な方でした。

彼は毎月安定した売上を上げており、
周囲からも「結果を出せるセールス」として評価されていました。

けれど、その営業スタイルが成立していたのは、
彼が「値引きができる」「接待ができる」
という環境があってこそだったのです。

あるとき、その会社は利益重視の方針に切り替え、
値引きが大幅に制限されることになりました。

さらに、接待に関しても社内ルールが厳しくなり、
以前のような関係づくりが難しくなりました。
結果として、その方の売上は大きく落ち込んでしまったのです。

彼は焦りました。
なぜなら、自分の武器だと思っていた
「値引き」や「接待」が奪われたことで、
他に何をすればいいのかわからなかったからです。

正攻法で商談を進めるスキルを磨いてこなかったため、
対応できなかったのです。

つまり、彼は「易きに流れた」結果、
自分の本来の力を磨かずに、
その場しのぎの方法に頼り続けてしまっていたのです。

確かに、値引きや接待は即効性があり、
短期的に成果を出しやすい方法です。

けれど、それに依存してしまうと、
環境の変化に対応できなくなります。

その結果、セールスとしての実力が育たず、
いざ「自分の力」だけで勝負しなければならない場面で、
成果を出せなくなってしまうのです。

このように、安易な方法に頼ると一時的な成果は得られても、
長期的には不幸な結果を招いてしまうことがあります。
正攻法を後回しにし、実力を磨くことを怠った代償は、
後になって大きくのしかかってくるのです。

「易きに流れない」ことを意識してみてください。
短期的な成果にとらわれるのではなく、
正攻法に向き合い、スキルを積み上げることが、
セールスとしての本当の強さにつながるのです。