
こんにちは。
毛利まさるです。
営業の現場では、「もっとスピードを上げて」「効率よく進めてほしい」という指示が頻繁に飛び交います。
あなたも一度は上司から言われたことがあるのではないでしょうか?
しかし、その言葉が思った以上に“危険”であることに気づいている人は多くありません。
なぜなら、これらの言葉は一見シンプルに見えて、人によって基準がまったく異なるからです。
あなたはそのズレに、薄々気づいていたのではないでしょうか?
「スピードを上げて」は人によって意味が違う
「もっとスピードを上げよう」という指示は、一見すると明確なようで、実は曖昧です。
ある人にとっては“作業量を増やすこと”かもしれないし、別の人にとっては“判断を速めること”かもしれない。
その結果、チーム全体で方向性が揃わず、
「頑張ったのに評価されない」
「急いだつもりなのに怒られる」
といったすれ違いが起きます。
おわかりでしょうか?
ここにあるのは“スピード”という言葉の基準がバラバラだという事実なのです。
「効率よく」はさらに曖昧で危険な言葉
さらに厄介なのが「効率よく」という指示です。
一見するとスピード重視と同じに見えるものの、ここには別の問題が潜んでいます。
効率よく、という言葉は、
「ムダをなくせ」
「時間短縮をしろ」
「動きを最適化しろ」
など、いくつもの意味を内包しています。
しかし、上司の頭の中と部下の理解が一致しているとは限りません。
その結果、効率よくやったつもりでも、上司から見ると“ポイントがズレている”ことがあるのです。
逆に言うと、明確な基準が示されないまま「効率」を使うと、
メンバー全員が異なる方向に動き、成果の再現性は崩れてしまいえないのです。
「スピード」と「効率」は言い換えただけでは同じにならない
素案にもある通り、スピードを求める → 効率よくを求めるというのは、一見似ています。
しかし、実際にはただ言い換えただけで、本質が共有されていないままです。
つまり、
「スピード上げろ」→「効率よくやれ」
と表現が変わっても、具体的な基準は示されていない。
その結果、現場は混乱し、“頑張ってもズレる”状態が続くことになるのです。
それは、言葉の背景にある基準が共有されていないからです。
ですので、いくら指示語を変えても、行動は変わらないのです。
営業組織で最も必要なのは「基準の言語化」
では、どうすればすれ違いが減るのでしょうか?
答えはシンプルです。
言葉の基準を言語化することです。
たとえば、
「スピードを上げてほしい」
→ 具体的に“何を”“どの程度”“いつまでに”
「効率よく進めて」
→ どのプロセスを短縮するのか、どこを削るのか
これが明確になれば、余計な推測や誤解は発生しません。
逆に言うと、言葉だけを変えても、基準が曖昧なままでは行動改善にはなりえないのです。
言葉の基準が揃うと、チームの成果が一気に安定する
指示の基準が揃うと、
・成果が安定し
・無駄な摩擦が減り
・個々のキャリア成長が加速し
・チーム全体の再現性が高まる
という好循環が生まれます。
営業において、曖昧な言葉ほど危険なものはありません。
「スピード」「効率」という便利な言葉であるものの、それを使うなら、必ず基準と背景をセットで伝える必要があります。
言葉には基準がある。
その前提を理解したとき、チームの動きは驚くほどスムーズになっていきます。





