煮卵150円は高くない?営業の本質は“納得できる物語”にある

こんにちは。
毛利まさるです。

「それって高くない?」って言われて困ったことありませんか?

営業をしていると、よくあるのが「それ、ちょっと高いよね?」というお客様の反応です。

でも不思議なことに、同じように「高い」と思われそうなものでも、すんなり売れることがあります。
たとえば、ラーメン屋さんの煮卵トッピング

150円って聞くと、ちょっと高い気がする…であるものの、なぜか「まぁ、こんなもんか」と思ってしまう。

この現象、実はセールストークの本質を突いているのです。

煮卵の仕入れ原価って、知ってますか?

スーパーに行けば、卵は1個20円前後で買えます。

お湯でゆでて、タレにつけて、数時間置けば立派な煮卵の完成です。

それが150円で提供される。冷静に考えれば、「130円の上乗せ」なんですよね。

しかし、誰も文句を言わない。なぜかというと、その130円には「手間」というストーリーが含まれているからです。

「煮卵作るの、面倒だよね」
「家ではなかなか味がしみ込まない」
「どうせならプロが作ったものを食べたい」

こうした心理が、自然と“150円でも納得できる”という気持ちを生み出します。

「想像できる金額」こそがカギになる

これ、ものすごく重要なセールストークの考え方です。

人が「払ってもいい」と思うとき、そこにはある計算が働いています。

その計算とは、「なんとなくの手間」と「払う金額」が釣り合っているかどうか。

逆に言えば、想像がつかないと人は納得しません。

たとえば、ITソリューションを売るときに「これで月額3万円です」と言っても、お客様には何のことかピンときません。

「高いな」と思われるだけです。

しかし、こう言ったらどうでしょう?

「この業務、月に30時間かかっていたのを5時間に短縮できます。その分、残業代も減ります」

すると、「あ、なるほど」となり、3万円という金額が安く見えるのです。

煮卵の150円も、ITの月額3万円も、どちらも『納得の物語』が必要なんです。

セールストークは「物語の値付け」

価格に説得力を持たせるためには、「物語」が不可欠です。

たとえば、「この商品には特許技術が使われていて…」と言うだけでは伝わりません。

それよりも、「他社は1年かかる開発が、うちは半年でできます」と伝える。

すると、その裏にある「苦労」や「実績」が見えてきて、価値として腑に落ちるのです。

つまり、お客様に見せるべきは、「手間」や「背景」や「使う人の未来」。

それをしっかりとセールストークに織り込むことで、価格に対する納得感は格段に上がります。

「営業は煮卵だ」と思ってみよう

煮卵トッピングが150円でも売れるように、営業でも「手間と妥当性の物語」を伝えられるようになれば、価格への抵抗はぐっと減ります。

「高い」と思われるかどうかは、金額の問題ではなく、想像力の問題

お客様の頭の中で「なるほどね」と思ってもらえる構成があるかどうかが、営業の勝敗を分けるのです。