
こんにちは。
毛利まさるです。
「資料がやたら綺麗なのに、なんでこんなに使いにくいんだ…」と思った経験はありませんか?
会議で共有されたExcelのファイル。
ぱっと見はデザインも整っていて見た目は美しい。
けれど、セルをクリックしてもまともにコピペできない。
関数も入っておらず、項目を変更したらレイアウトが崩壊。
しかも、なぜか表の中なのに文字が中央揃え。
そう、これはまさにExcel方眼紙と呼ばれる代物です。
「紙で印刷すること」が前提のようなこの資料、いったい誰のために作られたものなのでしょうか?
今回は、そんな“見た目先行で本質を忘れてしまった仕事のやり方”を見直す、というお話です。
Excelは表計算ソフトであって、レイアウトソフトではない
まず、基本を思い出してください。Excelは表計算ソフトです。
つまり、「計算」や「データ処理」が得意なツールなのです。
ところが、ある日突然、Excelが印刷用の方眼紙になってしまった。
セルの幅と高さを揃え、罫線で綺麗に区切り、見た目は“書きやすそう”な様式に変貌。
そして、誰かがその方眼紙上にテキストや図形を重ね始めた…。
この状態になると、数式やフィルターの操作は困難。
誰かが入力を修正すると一気にレイアウト崩壊。
そして、印刷して配ることが前提なので、紙に書くのは想定していても、パソコンで扱うのはまったく想定されていないのです。
なぜExcel方眼紙が生まれるのか?
その背景には、「紙文化」という“従来のしがらみ”が見え隠れします。
しかし、忘れてはいけないのは、「誰が」「何のために」「どう使うか」が欠如してしまっているということ。
見た目を整えること自体が悪いのではありません。
しかし、それが“操作性”や“生産性”を犠牲にしてまで優先されてしまうのは、本末転倒です。
仕事術とは、見た目の美しさではなく「成果を出す仕組み」にこそ宿るのです。
見た目と使いやすさはトレードオフではない
ここで少しだけ補足しておきます。
「見た目を捨ててでも機能性を追え」と言いたいわけではありません。
見た目と使いやすさは両立できます。
たとえば、セルの結合を極力避けて表を作り、整ったフォントと行間で読みやすくする。
関数やデータの並びは整理し、印刷用と入力用のシートを分ける。
このように、「機能性を保ちつつ、美しさも損なわない設計」は可能なのです。
問題は、「見た目の美しさ“だけ”を優先し、使いやすさを無視したとき」なのです。
本質を忘れた瞬間に、仕事は滑稽になる
このExcel方眼紙問題は、実は仕事術そのものにも通じる話です。
資料づくりに限らず、「見た目だけ整っていて、使えない」「本質を見失った手段」が、私たちの周囲にはたくさんあります。
たとえば、
- 意図が曖昧なのに毎週繰り返される会議、
- 誰も読まないのに律儀に作られる日報、
- 使う人がいないのに構築されたワークフロー。
どれも「やってる感」はあるのです。しかし、実際の成果や行動にはつながらない。
これでは、仕事というより「自己満足のルーチン」です。
仕事にでは本質を忘れないようにしてください。