
こんにちは。
毛利まさるです。
「決められた通りに話しているのに、
なぜかうまくいかない経験はありませんか?」
トークスクリプトを忠実に守っているにもかかわらず、
なぜか会話が盛り上がらず、ぎこちない空気だけが残る。
そんな苦い経験に、心当たりのある方も多いのではないでしょうか。
これは、営業でも面談でも起こり得る現象です。
そもそもトークスクリプトとは、
会話の「型」を覚えるためのものです。
ですから、基礎の段階ではとても重要であり、
覚えなければ前に進めないのも事実であるものの、
問題はその「使い方」にあります。
教わった通りに話すことだけを目的にしてしまうと、
相手の個別の反応に適切に対応できず、
まるで録音された音声のようにパターン化された会話になってしまうのです。
現場では常に「予期せぬこと」が起きます。
お客様も求職者も、スクリプト通りには動いてくれません。
「こう返してくれるだろう」という前提が崩れたとき、
初めて本当のコミュニケーション力が問われるのです。
では、どうすればこの罠に陥らずに済むのでしょうか。
それは、スクリプトを「暗記する」のではなく、
「理解すること」「トークの目的を明確にすること」です。
なぜこの質問をするのか、なぜこの順番なのか。
背景にある意図、目的をしっかりと理解していれば、
多少のズレや予想外の返答があっても、
慌てることなく自然に会話を修正できるようになります。
さらに、相手の表情や声色、間の取り方にも敏感になることが大切です。
相手が言葉を選んでいるようなら待つ。
戸惑っているなら補足する。
嬉しそうならさらに掘り下げる。
このように、スクリプトを超えた
「生きた会話」ができるようになって初めて、
本当の意味での仕事術を身につけたと言えるでしょう。
仕事術とは、マニュアルを暗記することではありません。
相手と真正面から向き合い、予期せぬ反応をも受け止め、
自分の言葉で伝えられる力を養うことです。
もちろん、最初はうまくいかないこともあるでしょう。
であるものの、そこで失敗を恐れて立ち止まってしまうのではなく、
失敗を糧にして、少しずつ、柔軟な対応力を育てていくことが大切なのです。
スクリプトはあくまでガイドラインです。
あなた自身の言葉で、あなた自身のリズムで会話をつくり上げること。
それこそが、セールスでも面談でも、あらゆる仕事に通じる、
本物のコミュニケーションスキルとなるのです。