褒められた時の正しい返し方

こんにちは。
毛利まさるです。

褒められた瞬間こそ、その人の本質が表れる

あなたは人から褒められたとき、どんな反応をしてきましたか?

「そんなことないですよ」と、エレガントに否定するのが一般的かもしれません。
控えめに振る舞うことが美徳とされてきた日本では、謙遜という文化が深く根づいています。
しかし、その謙遜が時に“コミュニケーションの機会を閉じてしまう”ことがあるのです。

本当は相手があなたを肯定し、関係を温めようとしてくれた瞬間なのに、
そこで自分を否定するだけで終わってしまうと、会話は一度途切れます。

相手はあなたの反応を見て「もっと褒めてはいけなかったかな?」と感じてしまうこともあります。
これが続くと、本来なら信頼関係が深まるはずの場面が、さらりと過ぎてしまうのです。

褒め言葉を“キャッチ”だけで終わらせない

褒められたときに最も大切なのは、
受け取った言葉をその場で終わらせず、必ず相手に返して完結させることです。

たとえば「資料がとても分かりやすかったです」と言われたとします。
その瞬間に「いえいえ、そんな大したものじゃなくて…」で終わらせてしまうと、
あなたの素晴らしさを伝えた相手の“好意”を、どこにも着地させてあげられません。

しかし「そう言っていただけて本当に光栄です。丁寧に見てくださるあなたの姿勢があってこそです」と返すとどうでしょう。

この返しには、自分の価値を認めつつ、相手の良さを返しているため、
相手は肯定した自分の気持ちが“良い方向に返ってきた”と安心するのです。

褒められた側と褒めた側、どちらも心地よい循環が生まれます。
これが人間関係において非常に強い力を持ちます。

謙遜だけでは人は動かない。人を動かすのは“相互承認”

営業でも日常のコミュニケーションでも、相手の心を動かすのは、論理や商品力だけではありません。
もっと根の深い部分で、人は“承認”によって動きます。
褒められたときの返し方は、その承認の起点です。

謙遜で受け取って終わるのか、承認をキャッチし、そのまま相手へ返して循環させるのか。

この小さな違いが、信頼関係の大きな差となって蓄積されます。
「そう言っていただけるなんて嬉しいです」
「お気持ちを素直に伝えてくださるところが素敵です」
「あなたにそう言ってもらえると自信になります」
こんな返しをするだけで、あなたと相手の距離は一気に縮まります。

この“相互承認のループ”は、昭和のような上下関係中心のコミュニケーションでは生まれにくいものであるものの、
現代の営業やリーダーシップでは欠かせない重要な技術になっています。

褒め言葉を返せる人は、どこでも信頼される

褒め言葉をその場で閉じずに返すだけで、
あなたは人から「話しやすい人」「心地よい人」と評価されるようになります。

これは何か特別なスキルではなく、相手の気持ちを大切に扱う姿勢の証です。

そして不思議なことに、こうした返し方を続けている人は、
周囲から自然と支援され、人間関係に困らなくなります。
相手の心にポジティブな印象を残すことができるからです。

“褒められたら返す”というたった一つの習慣が、
あなたの営業活動、職場での信頼、そして日常のコミュニケーションを大きく変えていきます。