セールストークに潜む本音を読む方法

こんにちは。
毛利まさるです。

言葉の真意を知る

日本の文化には「阿吽の呼吸」という言葉があります。

これは、言葉を交わさなくても心が通じ合う、あるいは細かい説明がなくても相手の意図を理解する、
そんな状態を指しています。

けれど、実際のコミュニケーションではどうでしょうか。
たとえば「確かに良いですね」というフレーズを耳にしたとき、文字だけを見れば好意的なな反応に見えます。
しかし、現場で相手が「…あぁ、まぁ、確かに良いですね…」とたどたどしく答えていたら、
それは明らかに承認ではなく、むしろ「断りたいけど角を立てたくない」という姿勢の表れなのです。

このように、言葉には表面的な意味と、その奥に隠れた真意があります。
ここを見誤ると、誤解を招いたり、チャンスを逃したりすることにつながります。

言葉は表情や声色と一体である

私たちはつい言葉だけに注意を向けがちですけど、実際には声のトーン、間の取り方、表情、視線といった非言語の要素が大きな割合を占めています。
心理学の研究でも、人の感情や態度は「言葉そのもの」よりも「言い方や表情」で伝わる部分が大きいとされています。

つまり「確かに良いですね」というセールストークの場での返事も、声色や表情を伴って初めて意味を持つのです。
単語だけを鵜呑みにしてしまえば、相手の本音を見落としてしまう危険があります。

助け舟を出すという姿勢

では、相手が「本当は理解していない、しかし断るのも気まずい」といった曖昧な反応を示したとき、どうすればよいのでしょうか。
ここで必要なのは、こちらから「助け舟」を出すことです。

たとえばこう伝えるとどうでしょうか。

「わかりにくい部分がありましたよね。
 一度で理解できる人はなかなかいらっしゃいませんからご安心ください。
 前にいらした方も〇〇の部分が少し難しいとおっしゃっていましたので、そこをもう一度ご紹介しましょうか?」

このように、理解できなかったことを相手の責任にせず、「理解できなくて当然」という空気をつくってあげることで、相手は安心して本音を出せます。
その結果、ただ断られて終わるのではなく、話を深めるきっかけへと変えられるのです。

真意を読み解く力が信頼を生む

営業に限らず、あらゆる人間関係において重要なのは「言葉の裏をどう受け止めるか」です。
表面的な返答だけを捉えてしまうと、対話はすぐに途切れてしまいます。
しかし、その裏にある不安や疑問に気づき、さりげなく救いの手を差し伸べられる人は、自然と信頼を集めます。

これは単なるテクニックではなく、「相手に寄り添う姿勢」が形になったものです。
言葉の真意を知ろうとする姿勢そのものが、相手に安心感を与えるのです。

言葉の真意を知るために大切な視点

言葉を理解するときに大事なのは、「相手の立場に立ってみる」ことです。
なぜその言い方をしたのか、どんな感情が背後にあるのかを想像する習慣を持つことが、真意を知る力を高めます。そしてそれは日々の対話で鍛えられていくものです。