
こんにちは。
毛利まさるです。
商談の“空気”はどこへ消えた?その一言のメモを残すということ
「うまく話せたはずだったのに、なんで決まらなかったんだろう…」
商談が終わってから、そんな疑問を感じたことはありませんか?
きっとそのとき、言葉にはできない“何か”が、会話の中に漂っていたはずです。
しかし、帰社して報告書を書くころには、あのときの空気感がきれいさっぱり抜け落ちてしまうことも少なくありません。
そうならないために大切なのが、メモを残すということなのです。
会社に出す報告と、自分に残す記録は別物です
商談後に会社に提出する報告書。それはもちろん大事な業務のひとつです。
「何をどこまで話せたのか」
「相手の反応はどうだったか」
「ネックはどこにあるのか」
といった事実ベースの報告は、上司や関係者にとって重要な情報となります。
それでいいのです。そこまでは“会社のため”のメモです。
しかし、それとは別に残してほしいのが「自分のためのメモ」なのです。たとえばこんな感じです。
・相手が「うーん…」と目を伏せたタイミングとトピックは何だったか
・最後に「また検討します」と言った時の声のトーンは上がっていたか、下がっていたか
・話題が切り替わった瞬間、空気がふっと軽くなった場面はなかったか
こうした“空気の温度”のような記録が、実は次回の商談を大きく左右するのです。
トークの“感触”を言語化できる人は強い
トップセールスの人たちは、この「感触」をしっかりメモに残しています。
たとえば
「この一言を言ったら、相手の口角が少しだけ上がった」とか
「この例え話に変えた途端、メモを取り始めた」といった細かい変化を、ちゃんと覚えているのです。
そして、それをメモという形にしておく。
言い換えれば、「次にどう動くべきか」を自分で判断するための“素材”を、商談の直後に手元に残しておくわけですね。
記憶はあてにならない、感情はなおさらあてにならない
人は、自分に都合の良いように記憶を編集してしまうものです。
「確か、相手は前向きだったような気がする」
「たぶん、悪くはなかったはず」
…そう思いながら時間が経てば経つほど、記憶は曖昧になっていきます。
だからこそ、商談後すぐに残すメモが重要なのです。
そして、このとき書いておくべきは“事実”だけではありません。
相手の表情、声のトーン、自分が感じた違和感や確信。
そういった“主観的な情報”こそが、次の一手を導いてくれるのです。
生成AIにも頼ってみる
もしあなたが「言語化が苦手だ」と感じているのであれば、生成AIを壁打ち相手にするのもひとつの手です。
たとえば、「今日の商談ではこんな話をした。相手はこんな表情だった気がする」と話しかけてみてください。AIは、あなたのモヤモヤを整理してくれるはずです。
つまり、思考の“保存媒体”としてAIを使うのです。そうすれば、自分では気づけなかった視点にも出会えるかもしれません。
「記録し続ける人」は、再現性をもっている
「一回うまくいった」ではプロとはいえません。問題は「なぜうまくいったのか」「再現できるのか」です。
この“再現性”を支えているのが、記録(メモ)なのです。
営業が「運ではない」と言えるようになるには、感覚を言語化し、行動と結果を結びつけていく訓練が必要です。
その入口こそが、“丁寧なメモ”なのです。
記録する人は、未来の自分に語りかけている
営業という仕事は、毎日が即興劇のような連続です。
しかし、その中でも“足跡”を残しておけば、未来の自分は迷わず歩けるのです。