
こんにちは。
毛利まさるです。
見えている現象だけじゃ、次に進めない“ボトルネック”というセールスマインドの視点
「やってみたけど、ダメでした」
「提案してみたけど、断られました」
そう言われると、返す言葉に困ってしまうことがありませんか。
たしかに、ダメだったのは事実なんです。
しかし、問題はその先です。なぜダメだったのか?何が障害だったのか?
という部分をスルーしてしまうと、いつまで経っても成長のチャンスを取り逃がしてしまうのです。
雨に濡れた友人から学べること
ちょっと別の例で考えてみましょう。
あなたが友人と遊ぶ約束をしていて、待ち合わせ場所に現れた友人がびしょ濡れだったとします。
そしてその友人がこう言いました。
「雨が降って濡れたんだよね。」
うん、それは事実です。でも、この時あなたは思いませんか?
「え、天気予報見なかったの?」
「傘は?」
「今ここ降ってないけど、家の近くは降ってたの?」って。
そうなんです。事実を並べただけでは“原因”は見えてこない。
このケースでは、「天気予報をチェックしなかった」のかもしれないし、「傘を持っていく習慣がない」ことが原因だったのかもしれない。
つまり、「雨に降られて濡れた」という結果を改善するためには、“どこに問題があったのか”というボトルネックを見つける必要があるのです。
セールスにおける“現象”と“原因”の違い
これはセールスの現場でも全く同じです。
「断られました」というのは、雨が降ったのと同じ現象の話。
ですけど、それでは次の一手が見えない。
だからこそ、“なぜ断られたのか?”を深掘りする視点が必要なのです。
たとえばこんなこと、ありませんか?
「話しているうちに、相手の表情が曇っていった」
「価格を伝えた瞬間にトーンが落ちた」
「最後に『検討します』と言われて終わった」
これ、全部ヒントです。
相手がどこで不安を感じたのか、何が“ひっかかり”だったのか。
そのポイントをつかまなければ、いつまでも“雨に濡れた友人”状態が続くのです。
ボトルネックを見つけた瞬間、改善の扉が開く
「ボトルネック」という言葉は、もともとはボトルの首の細い部分のことです。
どんなに中身がたくさんあっても、口が細ければ出るスピードが遅くなる。
セールスも同じで、全体としては良い提案だったのに、たった一つの引っかかりのせいで話が進まなかったなんてことは、よくある話です。
たとえば
・商品説明が長すぎて相手の集中力が切れた
・競合との違いをうまく説明できなかった
・クロージングのタイミングが早すぎた
こういう部分が“詰まり”=ボトルネックです。
そこを見つけて調整できれば、次の商談では驚くほどスムーズに進むこともあります。
「何がいけなかった?」ではなく「どこが詰まっていた?」
大切なのは、「うまくいかなかった」の一言で片づけないこと。
そうではなくて、「どこが詰まっていたのか?」とボトルネックの発見に意識を向けること。
これは“反省”ではなく、“戦略”です。
責めるための振り返りではなく、前に進むための確認作業なんですよね。
あなたにも“改善のレシピ”がつくれる
セールスが上手な人は、うまくいったことよりも、うまくいかなかった時にこそ深掘りしている印象があります。
「〇〇がボトルネックだったから、今後は□□という順番で話してみよう」
「この事例だと伝わりづらかったので、あの別の事例に変えてみよう」
こんなふうに、自分だけの“改善のレシピ”を持っている。
それが積み重なると、セールスマインドがグッと洗練されていくのです。