裏切られた営業体験を“次の糧”に変える

こんにちは。
毛利まさるです。

玄関に100万円を置いておいて鍵をかけなかった。

「すごく興味を持ってくれていたのに…」
「話も弾んで、前向きだったはずなのに…」
「なのに、ある日を境に連絡も返ってこなくなった…」

そんな経験、営業をしていたら一度や二度じゃ済まないかもしれません。

であるものの、そのたびに心がざわつき、「裏切られた」と感じていませんか?

あの言葉はなんだったのか、あの表情は嘘だったのか。
その気持ち、痛いほどわかります。

しかし、セールスという仕事の本質に立ち返れば、それを“感情だけ”で処理するわけにはいきません。

裏切られたという気持ちに飲み込まれない

「裏切られた」と思うとき、私たちは相手の態度や行動を責めがちです。

「なんであんなこと言ったんだろう?」
「なぜ急に冷たくなったんだ?」
「どうせ最初から買う気なかったんだろう」

しかし、そうやって感情をぶつけている間は、次の打ち手は永遠に見えてきません。
ここで、ちょっと変わったたとえ話をさせてください。

100万円を玄関に裸で置いていたとしたら?

たとえば、あなたが現金100万円を家の玄関の靴箱の上に、むき出しでポンと置いていたとしましょう。

しかも、家のカギはかけず、宅配便の荷物を受け取るときには誰の目にも入るようにしていた。

そしてある日、100万円が盗まれてしまった。
このとき、確かに「盗んだ人が悪い」です。

であるものの、「盗まれた」という現実に対して、
「それ、防げなかったのか?」と自分に問うことも必要ですよね。

セールスも同じです。

信頼の管理も、営業の仕事の一部

商談中の信頼関係も、現金の管理と同じように、ちゃんと“保管”しておく必要があるのです。

相手が前向きだったからといって、それを鵜呑みにしすぎていなかったか?
ちょっと乗ってきたからといって、勝手に“成約目前”だと期待しすぎていなかったか?
温度感の上がり下がりを、きちんとモニターできていたのか?

つまり、「裏切られた」という気持ちを整理するとき、
自分の“営業行動”に何か見落としはなかったかを冷静に振り返ることが、
次につながるセールスメンタルなのです。

セールスメンタルとは、“感情を感情のままで終わらせない力”

「裏切られた」と感じることは、悪いことではありません。

むしろ、それだけ相手に向き合っていたという証拠です。
しかし、プロの営業としては、その感情をそのまま放置しておくわけにはいきません。

そこで必要になるのが、セールスメンタルです。

それは、「ああ、もう嫌だ」「信用なんてできない」などと、感情の波に呑まれるのではなく、
“なぜその結果になったのか?”を自分ごととして分解する思考力なのです。

そうやって初めて、「次はこうしよう」「次こそは信頼を保てる仕組みを持とう」と、
未来に向けて前進できる心のフレームが整ってくるのです。