妬み嫉みとの付き合い方

こんにちは。
毛利まさるです。

「なんであの人が評価されて、あなたじゃないの?」
そんな言葉を飲み込んだことはありませんか?

自分と同じくらいの成績なのに、
上司からの扱いが明らかに違う。

あるいは、努力している自分よりも、
後輩のほうが成果を出している。

そんな場面に直面して、心の中にモヤモヤと湧いてくるのが、
「妬み」や「嫉み」です。

セールスという職種は、数値や結果が明確に出る世界です。
それだけに、誰かとの比較が避けられません。

成果を出しても、称賛されるのは別の誰か。
評価制度が完全に公平でない限り、
「なんで自分じゃないのか」という思いは、
誰しも一度は抱くものです。

この妬みや嫉みの感情は、あなたに限った話ではありません。
あなたが誰かを羨ましく思っているように、
他の誰かもまた、あなたを羨ましく思っているかもしれません。

問題は、こうした感情とどう向き合うか、です。

妬みや嫉みが湧き上がったとき、
それを「そんなこと思ってはいけない」
と抑え込むのは現実的ではありません。

感情を無理に押し殺すと、
それは後からもっと強く跳ね返ってくるものです。
大切なのは、その感情をどうエネルギーに変換するかです。

「自分ももっと成長したい」
「悔しいから努力しよう」

そういった前向きな動機へと転換できれば、
妬みや嫉みも立派な原動力になります。

競争心は、結果を出すための強力な燃料になります。
他人と比べて落ち込むのではなく、
「なぜ自分が選ばれなかったのか」を冷静に分析し、
改善点を見つけ出すことこそ、成長への第一歩です。

であるものの、注意しなければならないことがあります。

妬みや嫉みを原動力にし続けていると、
次第に「誰かに認めてほしい」
という承認欲求が膨らみ始めるのです。

はじめは「見返してやりたい」というエネルギーで
行動していたとしても、それが慢性化すると、
「もっと褒められたい」「もっと称賛されたい」と、
自分の存在価値を他人の評価に委ねるようになります。

こうなると、仕事の本質が「成果を出すこと」から、
「周囲にどう思われるか」へとすり替わってしまうのです。

そして、その気持ちが言動に現れたとき、
人はあなたを「鬱陶しい存在」と感じるようになります。

実力はあるのに、なぜか距離を置かれる。
そんな状況に心当たりがあるとすれば、
それは承認欲求の膨張が原因かもしれません。

では、どうすれば妬みや嫉みを、
健全な方向に転換できるのでしょうか?

答えはとてもシンプルです。
「学びの姿勢を持つこと」です。

羨ましく思った相手に対して、
「なぜあの人はうまくいっているのか?」と、
冷静に観察し、そこから学びを得ようとする。

そうすれば、嫉妬の感情は尊敬へと変わります。
「あの人のやり方、見習ってみよう」と思えた瞬間に、
あなたの中にあった負の感情は、成長の種へと変化するのです。

学ぶという行為には、謙虚さが求められます。
自分よりも若い後輩や、別部署の人間からも
学ぼうとするその姿勢こそが、周囲の信頼を集め、
最終的にはあなたのセールス力を底上げしてくれます。

妬みや嫉みの感情を抱いたとき、
それは「自分の成長にとって、何かヒントがあるサインだ」
と捉える癖をつけましょう。

セールスの世界では、感情のコントロールもまた、立派なスキルです。

妬みや嫉みは誰にでも生まれるものです。
しかし、それに飲み込まれるのではなく、
自分の成長のために使う。それができたとき、
あなたの行動は一段上のステージへと進みます。

そして何より、他人ではなく
「過去の自分」と比べるようになったとき、
あなたはもう、妬みに縛られない
本当のプロフェッショナルになっているはずです。