
こんにちは。
毛利まさるです。
映画や漫画、さらには本を読んでいて
その登場人物の言葉にハッとしたり
感銘を受けることはありません。
名言は私たちに気づきや学びを与えてくれます。
しかし、実は、名言そのものに意味はないのです。
これは、勉強熱心なあなたにとっては
少し意外に感じるかもしれません。
ここで、少し想像してみてください。
あなたが道を歩いていたとき、
見知らぬ人が突然、「人生は尊い」
と叫んだらどう思うでしょうか?
きっと驚きとともに、意味がわからず戸惑うはずです。
しかし、それが幕末の動乱を駆け抜けた志士が、
死を目前にして語った言葉だと知ったとき
同じ「人生は尊い」が、
まったく別の重みを持ち始めるのではないでしょうか。
言葉とは、その背景にある“文脈”と“想い”があって
初めて価値を持つものです。
つまり、名言そのものが偉いわけでも、
力を持っているわけでもありません。
発言者の立場、状況、人生、そのすべてを踏まえたときに、
初めて名言は“生きた言葉”となるのです。
これは、あなたが日々向き合っている
「セールス」でも同じことが言えます。
どれだけ優れた商品やサービスであっても、
それ単体で顧客の心を動かすことは難しいものです。
パンフレットを渡して、スペックや価格を説明して、
それだけで売れるのであれば、
セールスパーソンの存在など必要ありません。
しかし現実には、セールスの場には必ず「人」が介在します。
なぜなら、商品やサービスは、
それを生み出した背景や思想、使われ方、
そしてそれを使ったときに
得られる未来のイメージとセットになって、
初めて“意味”を持つからです。
売れるセールスパーソンは、ただ説明するだけではなく、
背景を語り、なぜそれが生まれたのかを伝え、
顧客にとってどのような変化がもたらされるのかを具体的に示します。
それによって初めて、
商品は“意味あるもの”として受け取られるのです。
セールスの現場では、
こういった「文脈の提供」が何よりも大切です。
スペックや価格は、確かに比較しやすく、
わかりやすい情報であるものの、
それだけでは“選ばれる理由”にはなりません。
むしろ、他社と横並びになって
埋もれてしまうリスクの方が高くなります。
「この商品には、こういう想いがある」
「このサービスは、こういう背景から生まれた」
「この仕組みを取り入れたことで、
他社では得られないこの価値が生まれる」
こうした“言葉の裏側にある情報”が、
名言を意味ある言葉に変えるように、
商品を唯一無二の存在へと変えるのです。
それができる人こそ、
真のセールスパーソンであると私は思います。
名言に意味はありません。
しかし、その名言が放たれた背景が語られるとき、
それは生きた言葉として、誰かの心を動かす力を持つのです。
セールスも同じです。商品単体では意味をなさない。
あなた自身の言葉で、その価値を語れるとき、
商品は“誰かにとっての名言”となるのです。