
こんにちは。
毛利まさるです。
営業という仕事は、頭の中でシナリオを描いているときは完璧に動けるように感じるものです。
相手からされる質問も想定し、資料の説明もスムーズにできる気がします。
しかし実際にロールプレイングをしてみると、予想外の戸惑いが生まれます。
「あれ、この資料ってどこのフォルダにあったっけ?」
「パソコンを操作しながら、このデータどこに保存したんだっけ?」と、
頭で思い描いた理想とはまったく違う現実に直面するのです。
そしてこの“現実のズレ”こそ、ロープレをやる意義そのものでもあります。
頭の中のシミュレーションは、現実の複雑さには勝てない
人は頭の中で考えるとき、どうしても都合よく物事を進めてしまいます。
資料の場所も、説明の流れも、会話のキャッチボールも、すべてがスムーズに進む前提でイメージしてしまう。
しかし営業の現場には、必ず小さなズレや予期せぬ動きが発生します。
パソコンの画面が一瞬固まる時もあれば、自分で作成した資料なのに「あれ?」と思うことさえある。
つまり、頭の中のイメージは“成功する未来”だけを切り取った理想図にすぎず、現実には万全とは言えないのです。
だからこそ、ロープレが必要になります。}
実際に手を動かすことで、初めて気づける欠点やクセが必ず出てきます。
ロープレであえて失敗しておくメリットとは何か
ロールプレイングをすると、必ず何かしらのミスが起きます。
フォルダを探すのに手間取る。言葉が詰まる。
話す順番を忘れる。資料と話の流れが噛み合わない。
しかし、これらの失敗は本番の失敗とは意味がまったく違います。
本番で起きれば信用を落とします。
しかしロープレで起きる失敗は、むしろ“発見”であり“軌道修正のチャンス”です。
ロープレは安全な環境であり、何度でもやり直せる場所です。
ミスした瞬間に初めて理解できることがあります。
「あ、この画面は事前に開いておいた方がいいな」
「この説明は先に入れた方が流れが良いな」という改善点が、頭ではなく“体感”として理解されていくのです。
こうした積み重ねが、本番での落ち着いた対応や、資料操作の滑らかさにつながります。
つまりロープレでの失敗は、成功のための練習であり、本番でのミスを未然に防ぐ保険でもあるのです。
失敗の蓄積が、本番での“安心感”に変わる
ロープレを重ねていくと、同じようなミスを何度も経験します。
そのたびに改善し、次に活かすことで、体の中に自然な流れが作られていきます。
これはスポーツの練習に近いもので、練習で何度もミスを経験し、その修正を繰り返すことで動きが洗練されていくのと同じです。
営業でも、資料操作の順番や話す流れが体の中に落ちてくると、本番で焦ることが圧倒的に減ります。
緊張しても抜け落ちない“基礎動作”が出来上がるからです。
頭で理解していることと、実際に手で再現できることは別物です。
ロープレとは、この“理解と動作の距離”を埋めるための時間なのです。
本番で失敗しないために、ロープレでわざと転んでおく
ロープレの目的は、完璧にこなすことではありません。
むしろ積極的に失敗し、弱点を可視化し、改善点を洗い出すことです。
本番でミスしないために、あえて練習で転んでおく。
これこそが、成果を出す営業パーソンが実践している「準備の質」です。
もしあなたが商談で緊張しやすかったり、資料操作が苦手だったりするのであれば、なおさらロープレは効果的です。
練習は裏切りません。
失敗の蓄積こそが、本番での成功確率を引き上げるのです。
ロープレでの失敗は、あなたの価値を下げるものではありません。
むしろ、あなたを成功へと導く“最高の練習材料”なのです。





