
こんにちは。
毛利まさるです。
自己コントロールのトレーニングとは、「好き嫌い」をあえて整えること
「自己コントロール」と聞くと、何か特別な精神修行のように感じるかもしれません。
しかし、実際はもっと身近なところから鍛えることができます。
その入口となるのが、好き嫌いのコントロールです。
たとえば「今これを食べたいから食べる」という行動は、食欲の流れにそのまま身を委ねています。
もちろん悪いことではありません。
けれども、自己コントロールを鍛えるなら、あえてそこに小さな意識を加えてみるのです。
酢の物を題材に「理屈」と「感情」を整える
たとえばあなたが「酢の物が苦手」だとします。
食べない自由はもちろんあります。
しかし、自己コントロールのトレーニングとしてあえて問い直してみてください。
「どうすればおいしく食べられるだろう?」と。
まずは理屈の整理です。
酢の物について調べてみると、興味深い研究結果が見えてきます。
「脂質(LDLコレステロールや中性脂肪)・空腹時血糖などの代謝指標が改善したというメタ解析・臨床試験がある。リンゴ酢などを毎日摂取させた試験で、血糖や脂質が有意に下がったとする報告がある」
参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34187442/
つまり、酢の物を食べることには明確な科学的根拠があるのです。
「なんとなく健康によさそう」ではなく、「エビデンスレベルで体に良い」と理解できた瞬間、苦手意識が少し変わります。
頭で納得することで、行動の第一歩が生まれるのです。
感情をデザインする
次に感情です。嫌いな食べ物を無理に我慢して食べるのではなく、感情を整える工夫を加えます。
たとえば、酢の物を入れる器をお気に入りの陶器に変えてみる。
盛り付けに少し手間をかけて、色味を意識する。
そして「一日を締めくくる“整えのひと鉢”」というテーマを自分の中で設定してみる。
このように「食べる」という行為を作品づくりのようにプロデュースすると、酢の物は単なる副菜ではなく、あなたの一日のバランスを整える象徴に変わります。
感情のスイッチを“楽しさ”や“美意識”の方向にずらすだけで、味覚の受け取り方は驚くほど変化します。
「嫌い」を素材に変える発想
ここで大切なのは、「嫌い」を敵にしないことです。むしろ、嫌いなものほど成長の素材にできます。
食事に限らず、人間関係や仕事でも同じことが言えます。
苦手な人、苦手な業務、それらを避けるのは簡単です。
しかし、自己コントロールを高めたいなら、そこに意図的に触れてみる。
「なぜ苦手なのか?」「どんな意味があるのか?」と分析する。
その思考習慣こそが、自分の心を自由に扱う訓練になります。
たとえば「話が合わない上司」と向き合う場面。
感情的に反発するのではなく、「どうしたら自分が冷静に話せるか?」を考える。
この一歩が、まさに日常の自己コントロールなのです。
理性と感情を同時に使う練習
自己コントロールとは、理性と感情の両方を味方にする技術です。
理屈だけでは息が詰まり、感情だけでは流される。
両者をバランスさせるには、「小さな行動の設計」を繰り返すことが重要です。
酢の物の例でいえば、「健康によいから食べる」という理性の理由と、「美しい器で食べたい」という感情の理由を組み合わせる。
これを習慣化すれば、「嫌いだったものを自分で中和していく力」が養われます。
この感覚は、自己成長のあらゆる場面で役立ちます。
勉強でも、運動でも、人間関係でも、「どうすれば好きになれるか?」を自分で設計できる人は、どんな環境でも前向きに変化できるのです。
自分の中の“整え力”を育てる
最終的に自己コントロールとは、自分の感情の波を静かに整える力です。
怒りや焦りに流されそうなときも、「酢の物を整える」ように心を調える習慣を持つ。
小さな日常の選択の積み重ねが、あなたの感情の安定感を生み出します。





