会議の堂々巡りを抜け出す仕事術とは

こんにちは。
毛利まさるです。

会議や打ち合わせで「それ、前に言ってなかったっけ?」と感じた経験はありませんか?
特に上職者から同じ質問を繰り返されると、「どうして覚えていないのだろう」と不満に思うこともあるでしょう。

部下としては「それくらい覚えていてほしい」と心の中でつぶやきたくなるのも無理はありません。
であるものの、実際にはそこには理由があります。
そしてその理由を理解することが、会議を堂々巡りから救い出し、生産的な時間に変えるカギとなるのです。

上職者が繰り返すのは「確認」の意味もある

上職者が以前話した内容を再度質問してくるのは、単に忘れているからではありません。
彼らは日々膨大な量の案件や情報を処理しています。

そのため、すべてを逐一記憶しておくことは現実的に不可能です。
むしろ、繰り返し確認することで情報の正確性を担保し、認識をそろえようとしているのです。
つまり、繰り返しの質問には「確認」という意図が含まれているのです。

部下の立場からすると「もう決まったことなのに」と思うかもしれません。
しかし、上職者は俯瞰的に物事をとらえているからこそ、細部をもう一度確かめたくなることもあるのです。
大きな枠組みを見ながら、具体的な決定事項がその枠組みにフィットしているかを検証するために、
あえて同じ質問を投げかけていることもあるのです。

堂々巡りを防ぐ前振りの一言

もし会議中に「また同じ話をしている」と感じたなら、受け身で不満を抱えるのではなく、こちらから工夫してみましょう。

具体的には、「前回の会議で〇〇という方向で決定しています。その前提で今回の議題を進めると…」と一言前振りを入れるのです。

この一言があるだけで、堂々巡りは大幅に減少します。
なぜなら、上職者はその言葉を聞いた瞬間に「そうだったな」と記憶が呼び起こされ、会議の流れが前進するからです。
さらに、この対応は「過去の議論をきちんと把握し、整理している」という印象を与えます。
結果として、自分の信頼度が上がり、会議全体の効率も高まるのです。

堂々巡りが生まれる背景

堂々巡りは単なる記憶違いからだけでなく、議論の抽象度の違いからも生じます。
上職者は戦略や方向性といった大きな視点から話を進めようとします。
一方、現場の担当者は日々の具体的な課題にフォーカスして発言します。
この視点のズレが、「前も話したことでは?」という感覚を生むのです。

たとえば、上職者は「売上拡大のための戦略」として大枠を確認しているのに対し、
担当者は「先週訪問したお客さんへの提案内容」という具体的な話を進めています。
両者が同じ会議にいても、目線の高さが異なるために同じ議題を繰り返しているように見えるのです。

堂々巡りを武器に変える

堂々巡りは「無駄」だと思われがちですけど、見方を変えれば重要なチェックポイントでもあります。
同じ話題が再浮上するということは、それだけ組織として重要な論点である可能性が高いのです。
むしろ繰り返し話し合うことで抜け漏れが防がれ、決定の質が高まることもあります。

ただし、そのまま繰り返すのではなく、「確認のために整理する」という役割を自分が担えば、堂々巡りは前進のエネルギーに変わります。
これは単なる会議テクニックではなく、自分を組織にとって欠かせない存在へと成長させる仕事術でもあるのです。