理想論で終わらせない現実対応力

こんにちは。 毛利まさるです。

「そんなの現場じゃ無理だよ」

こんな言葉を、会議や打ち合わせの場でぶつけられた経験はありませんか?

あなたは理想を語っただけ。

でも相手からは「それは机上の空論だ」と片付けられる。
その瞬間、まるで自分の想いが否定されたようで、言葉に詰まってしまった。
そんなことは、仕事の場面では少なくありません。

であるものの、理想を掲げることは決して悪ではありません。
むしろ、理想がなければ進化も成長もありません。
ただ一方で、現実には理不尽なことが多いという前提を忘れてはいけないのです。

理想論には「土台」が必要

理想というのは、未来に向けた希望や目標です。

しかし、それを現実の行動に変えるには「地に足がついた視点」が必要になります。
たとえば、「残業ゼロの会社を作ろう!」という理想も、それ自体は素晴らしいです。

しかし、その一方で「納期が短い」「人手が足りない」という現実があれば、
ただ理想を叫んでも周囲からは共感を得られません。

つまり、現実を直視した上で、理想に向かって少しずつ改善するアプローチこそが、
本当に周囲を動かす力になるのです。

理不尽な現実を受け入れる勇気

理不尽さに腹が立つのは当然です。
「なんでこんな非効率なやり方なんだ」
「なぜ声の大きい人の意見が通るんだ」と思うこともあるでしょう。

しかし、社会や組織というのは多くの矛盾を抱えているものです。

その矛盾に対して、怒ったり、嘆いたりするだけでは変わりません。

まず必要なのは、「理不尽さも含めて社会」なのだと受け止める力です。

そこから、少しずつでも「どうすれば理想に近づけるか?」を考えることが、
現実的な仕事術なのです。

現実主義は“あきらめ”ではない

よくある誤解ですが、現実を受け入れるというのは“あきらめ”ではありません。

本当の意味での現実主義は、
「目の前の障壁を正しく認識し、その上でできることを最大限やる」という姿勢です。

理想論者が持つ「もっとこうしたい」という想いと、
現実主義者が持つ「いまこの条件でできることをやる」という行動力。
この両方をバランスよく持てる人こそが、組織の中で信頼される存在になります。

小さな実践が未来を変える

たとえば、あなたが「この社内ルールは非効率だ」と感じたとします。
そこで「これおかしくないですか?」と主張するのも良いのですけど、
いきなり全体を変えるのは難しいかもしれません。

だからこそ、「自分のチームだけでもこうしてみよう」と小さな改善から始めるのです。

このような小さな試みが成功すれば、やがて他部署や全社に波及する可能性もあります。
理想は行動によって形にされるものです。
そして、その行動の出発点が現実への理解であることを、忘れてはいけません。

理想を否定する必要はありません。
大切なのは、「その理想を現実に近づけるには、今の自分に何ができるか?」
を問い続けることなのです。