サスペンス映画で鍛える

こんにちは。
毛利まさるです。

商談の帰り道に
「あのときのお客さんの一言、
 もしかして買わないサインだったのでは…」
と後悔したことはないでしょうか。

セールスにおいて大切なのは、ただ商品を説明することでも、
契約を取るためのトーク術だけではありません。

もっと必要なのは、“違和感を見逃さない洞察力”です。

そして、その力を鍛えるには、意外な方法があります。
それが、「サスペンス映画を観ること」なのです。

サスペンス映画の最大の魅力は、
視聴者に不安や疑問を提示し、次に何が起こるのか、
なぜこの行動を取ったのか、という謎を与え続ける構造にあります。

登場人物の何気ない仕草や、
会話の中に織り込まれた小さな違和感が、
ラストで大きな意味を持つ
この「伏線回収」が、観る者の思考力と観察力を刺激してくれます。

勘の良いあなたはもうお気づきかもしれません。

この構造こそ、セールスに通じるものなのです。
商談の初期段階で交わされる、何気ない一言。
「予算はまだ確定してないんですよね」
「今は情報収集中です」
他にはちょっとしたしぐさ
これらをただの雑談として聞き流すか、
何かの兆しとして受け取るかで、
その後の展開はまったく変わってきます。

サスペンス映画に慣れている人は、
こうした“何気なさ”の中に伏線を見つける訓練ができています。
つまり、商談においても、言葉の裏にある感情や懸念、
まだ言葉にされていない課題を察知しやすくなるのです。

さらに、サスペンス映画は「聞く力」や
「観察する目」を鍛えるだけでなく、
「問いを立てる力」も磨いてくれます。

物語の展開に疑問を持ちながら観ることは、
相手の本当のニーズを引き出す質問を用意する練習にもなります。
「なぜ今この話をするのか?」
「なぜその言葉を選んだのか?」
という視点を持つことで、
セールスの現場での質問の質が格段に上がるのです。

商談の途中で、
「あれ、この人、少し目線が泳いだな」
と感じたことはありませんか? 

サスペンス映画を観るときと同じように、
その場面を記憶に残しておくことです。

その違和感が、後に「決定権が実はなかった」
「すでに他社と話が進んでいた」
といった事実につながる場合があるからです。

サスペンス映画の登場人物たちは、
常に疑い、観察し、考えます。

そしてそれを続けることで、真実に近づいていきます。
セールスパーソンも同じです。
常に問い、気づき、整理しながら商談を進めていく。
その姿勢が、結果としてお客様に信頼され、
選ばれる営業へとつながるのです。

あなたが次に観るサスペンス映画は、
ただの娯楽ではないかもしれません。

「これはもしかして〇〇に繋がっているかも」
この感覚を自分のセールスにどう応用できるか、
ぜひ考えてみてください。

それは、お客様の「買わない理由」に事前に気づける力を育て、
逆に「買いたい動機」を引き出す
セールス技術にもつながっていくのです。