人の振り見て我が振り直せ

こんにちは。
毛利まさるです。

通勤電車の中で、ある光景に遭遇しました。
ある男性が突然大声で叫んだのです。

「おまえ、足を見ろよ!」

彼の怒鳴り声が車内に響き渡り、一瞬で空気が張り詰めました。
どうやら、誰かに足を踏まれたようです。

確かに、足を踏まれるのは不快なことですし、
踏んだ人に非があるのも事実でしょう。

ですが、満員電車では避けられない状況もあります。
それにもかかわらず、彼は感情を爆発させ、
周囲にまで緊張感をもたらしました。

よく考えてみると、足を踏んだ人はもちろん悪いですけど、
その出来事がここまで大きな騒動になったのは、
怒鳴った人自身の行動によるものでもあります。

満員電車という公共の場で、
彼の怒りは周囲の乗客まで巻き込む結果となりました。

つまり、最初に悪かったのは足を踏んだ人かもしれませんけど、
その場の空気をさらに悪くしたのは怒鳴った本人なのです。

この出来事から学べるのは、
「正義を振りかざしすぎることの危うさ」です。

こうしたことは、職場でも起こり得ます。
たとえば、会議中に同僚がちょっとしたミスをしたとします。

そのミスを指摘するのは当然かもしれませんけど、
声を荒げたり、過度に問い詰めたりすると、
周りの空気は悪くなり、指摘された本人も委縮してしまいます。

もし、それが単なる勘違いや
不可抗力によるミスだったとしたら、なおさら問題です。

正義感を持つことは大切ですけど、それが行き過ぎると、
「正義を悪用する人」と見なされてしまい、
周囲から敬遠されることになります。

実際、職場では「厄介者」と思われる人ほど、
必要以上に他人のミスを攻撃したり、
自分の正しさを押し付けたりする傾向があります。

彼らは自分の正義が絶対だと信じていますけど、
それが周囲との関係を悪化させ、
結果的に自分の評価を下げてしまうのです。

では、こうした状況に陥らないためには
どうすればよいのでしょうか?

一つの答えは、「感情をコントロールすること」です。

人は誰しも、感情が高ぶる瞬間があります。
しかし、そのまま感情に流されてしまうと、
後で後悔するような言動をとってしまうことがあります。

たとえば、同僚のミスに気づいたとき、すぐに非難するのではなく
一拍置いて状況を整理することが大切です。
「これは本当に責めるべきミスなのか?」
「改善策を一緒に考えるほうが建設的ではないか?」
と考え直すだけで、対応は大きく変わります。

このように、人の行動を見て学ぶことは、
自分の成長につながります。
まさに、「人の振り見て我が振り直せ」ということわざの通りです。

私たちは、他人の行動を見て「こうはなりたくない」
と感じることがあります。

それをただの批判で終わらせるのではなく、
自分の振る舞いを見直す材料として活用することが重要です。

たとえば、もし自分が満員電車で怒鳴る側の立場になっていたら?
もし自分が職場で正義を振りかざしすぎていたら?

そう考えることで、自分自身の行動を冷静に振り返ることができます。

人の振る舞いは、私たちに多くの学びを与えてくれます。
だからこそ、「人の振り見て我が振り直せ」という言葉を忘れず、
日々の行動を見直していくことが大切なのです。