目の前に見える問題とそうではないもの

毛利まさるです。

セールスにおいて、お客さんが抱える問題に気づき
それを解決する提案を行うことは基本中の基本です。

しかし、ここで重要なのは「目の前に見える問題」
だけに注目しないことです。

お客さん自身が気づいていない「その先の問題」
にも目を向ける必要があります。

この視点を持つことで、セールスの価値を大きく高めることができます。

お客さんが自ら認識している問題
つまり「目の前に見える問題」は
比較的明確で具体的なものが多いです。

たとえば、「手間がかかる」「時間が足りない」
「コストが高い」といった課題です。

これらは、日常業務の中で自然と顕在化するため
お客さん自身が課題として明確に把握しています。

こうした問題に対して解決策を提示することは
セールスとしての基本的な役割です。

適切な製品やサービスを提案することで
お客さんのニーズに応えることができます。

しかし、それだけでは「目の前の問題」を解決するに留まり
セールスの本質的な価値を発揮できない可能性があります。

セールスが真に価値を提供するためには
「その先の問題」を見つける能力が求められます。

お客さんが気づいていない、あるいは意識していない課題やリスクを指摘し
その解決策を提示することが重要です。

これにより、お客さんに新たな視点を提供し
長期的な信頼関係を築くことができます。

たとえば、コスト削減を求めるお客さんに対して
単に価格の低い商品を提案するのではなく
将来的なメンテナンスコストや運用効率の向上を
考慮した提案を行うことが挙げられます。

また、現在の課題が解決された後に生じうる新たな問題を予測し
それに対応するための戦略を提示することも効果的です。

お客さんが「その先の問題」に気づけない理由はさまざまです。

主に日常業務に追われて時間的な余裕がない場合や
自社の課題を客観的に見つめる視点が不足している場合が挙げられます。
また、現在の問題解決に集中するあまり
将来のリスクや課題を見逃してしまうこともあります。

ここで、セールスの役割が重要になります。

セールスは、製品やサービスのプロフェッショナルとして
広い視野でお客さんの状況を分析し
潜在的な課題を浮き彫りにする役目を担います。

これを実現するためには、お客さんとの信頼関係を築き
深いヒアリングを行うことが不可欠です。

セールスが「目の前の問題」と
「その先の問題」を繋げる力を持つことで
提案の説得力が飛躍的に向上します。

たとえば、現状の課題に対する解決策が
将来的なリスクの回避や業務効率化にもつながることを示すことで
お客さんに「その提案がどれほど重要であるか」を
実感してもらうことができます。

さらに、この視点を持つことで
お客さん自身が気づかなかった価値を引き出し
より包括的なソリューションを提供することが可能になります。

これにより、セールスとしての存在意義を強くアピールできるのです。

「その先の問題」を発見し、それに対応する提案を行うに
必要になってくるのが、「ヒアリング」と「ストーリー」です。

ヒアリングにより、お客さんの現状だけでなく
将来の目標や課題感について詳しく聞き出すことで
潜在的な問題を探るヒントが得られます。

他社の成功事例や過去の類似ケースを交えながら
「その先の問題」に対する解決策の必要性(ストーリー)
を伝えるとお客さんがイメージしやすく効果的です。

「目の前に見える問題」と「その先の問題」をバランスよく理解し
それに対応する提案を行うことで
セールスとしての価値が飛躍的に高まります。

このプロセスを通じて得られるのは、単なる一時的な取引ではなく
長期的な信頼関係です。

お客さんにとって、目先の課題を解決するだけではなく
未来に向けた新たな価値を提供できる存在であり続けるために
「その先の問題」を常に意識するセールスを目指しましょう。