
こんにちは。
毛利まさるです。
言葉のあいまいさで誤解を生んだ経験はありませんか?
会議や打ち合わせで、自分はしっかり説明しているつもりなのに、相手には違う意味で伝わってしまった経験はありませんか?
その原因の一つは「言語の解像度」が低いことにあります。
言語の解像度とは、言葉をどれだけ正確に定義し、文脈に応じて適切に使い分けているかということです。
これは単なる国語力の話ではなく、ビジネスの現場で成果を左右する大切な仕事術なのです。
言葉を「雰囲気」で使う危うさ
例えば「ポジションを明確にする」という言葉を耳にすることがあります。
しかし「ポジショニング」という言葉も同時に使われるため、混同が起こりやすい。
英語で考えれば、positionは名詞、positioningは動名詞であり、単に語尾が違うだけに思えます。
であるものの、実際のビジネス現場では「ポジショニング」という言葉は、
単なる文法的な区別を超えて「市場における立ち位置を確立するための一連の戦略活動」という専門用語として定着しています。
つまり、あいまいに使うと議論がかみ合わなくなるのです。
言葉を雰囲気で使う癖を放置すると、意思疎通の齟齬だけでなく、戦略の実行にまで影響を及ぼすことになりかねません。
戦略フェーズと実行フェーズでの言葉の解像度
言葉の解像度を高めるには、状況に応じて使い分ける意識が欠かせません。
たとえば、マーケティング部門や経営層が戦略を議論する場面では「ポジショニングを明確にする」が適切です。
この段階では、まだ顧客の頭の中に存在しない理想の姿を定義しようとしているからです。
一方、営業や広報など現場での指示では「ポジションを明確にする」という言葉の方が自然です。
すでに決定した戦略を、顧客の頭の中に具体的な立ち位置として刷り込んでいく作業だからです。
このように同じように聞こえる言葉でも、フェーズによって意味合いが変わります。
言葉の解像度を高くするとは、こうした文脈の差を理解し、適切に選び分ける力にほかなりません。
言語の解像度が高い人は信頼を得る
言葉を正確に扱える人は、相手から「この人は話がわかりやすい」「筋が通っている」と評価されます。
逆に言葉があいまいだと、結論は同じでも「なんとなく頼りない」と見られてしまうのです。
つまり、言語の解像度を高く保つことは、そのまま信頼につながるのです。
さらに、この力は社内営業にも有効です。
上司に説明するとき、他部門と調整するとき、外部と交渉するとき。
どんな場面でも、解像度の高い言葉を選べる人は「話が通じる人」として評価され、結果的に人を動かす力を持つことができるのです。
「伝える」ではなく「伝わる」にこだわる
言葉は自分が発するだけでは意味を持ちません。
相手に「伝わる」ことで初めて価値を持ちます。
言葉の解像度を高くするとは、ただ用語の正確さを求めるのではなく、
相手の頭の中でどんなイメージが形成されるかを意識することでもあります。
つまり、自分の言葉が相手の中でどう再現されるかをシミュレーションすることが、成果を生むコミュニケーションにつながるのです。





