
こんにちは。
毛利まさるです。
「○○は健康に良い」という言葉を目にした経験はありませんか?
雑誌やテレビ、SNSで数えきれないほどの健康情報が飛び交っています。
その一文を見ると、「これさえ摂れば完璧」と思いたくなるものです。
であるものの、そこには常に“光”と同時に“影”が存在することを忘れてはいけません。
健康情報は一見シンプルであるように見えて、実は複雑な両面性を持っているのです。
そしてこの構造は、私たちが日々実践するセールスマインドにもそのまま当てはまります。
ほうれん草の例に学ぶ光と影
わかりやすい例がほうれん草です。
ほうれん草にはビタミンCや葉酸など健康に欠かせない栄養素が含まれています。
これらは水溶性で熱に弱いため、生で食べれば効率よく摂取できます。
これが「光」の部分です。
しかし、その一方で生のまま食べるとシュウ酸を過剰に摂取し、尿路結石のリスクを高める「影」の部分も存在します。
だからこそ、適度にゆでてアクを抜く調理法が推奨されているのです。
つまり「ほうれん草は健康に良い」という言葉は間違いではない。
しかし、その背景にある条件やリスクを知らなければ誤解につながります。
物事には常に両面があり、片方だけを切り取って語ると本質を見誤る。これが光と影の原理です。
セールスにおける光と影のバランス
この考え方はセールス活動にもそのまま通じます。
商品やサービスを紹介するとき、私たちはつい「光」の部分だけを強調したくなります。
なぜなら、魅力的な面を見せることが契約や購買につながるからです。
しかし、お客さんは常に敏感です。光の裏に潜む影を感じ取った瞬間、不信感が生まれてしまいます。
たとえば「導入すれば業務効率が飛躍的に上がります」と伝えたとしても、実際には習熟までに一定の学習コストが必要であったり、
既存システムとの調整に手間がかかることがあります。
こうした影の部分を一切語らずにセールスを進めれば、後々クレームや信頼の低下につながるでしょう。
一方で、「確かに導入初期には学習のハードルがあります。しかし、そこを越えれば長期的に大幅な効率改善が期待できます」
と伝えたらどうでしょうか。
影を隠さずに光とセットで示すことで、逆に説得力が増し、信頼関係を築くことができるのです。
これこそがセールスマインドの核心です。
光を伝える技術とは
「光と影を踏まえて、光を伝える」。
これは単なる言葉遊びではなく、セールスの実践知です。
お客さんは「すべてが完璧です」という説明よりも、
「メリットもデメリットも理解したうえでおすすめしています」という姿勢に安心感を覚えます。
つまり、影を知った上であえて光を強調することができるのは、影に対する理解があるからこそなのです。
この考え方は人間関係やキャリア形成にも通じます。自分の弱みを知っている人ほど、強みを自信を持って伝えられる。
同じように、影を受け入れたセールスパーソンこそが、本物の光を届けることができるのです。





