
こんにちは。
毛利まさるです。
あなたは人を下げて笑いを取る場面を目にしたことはありませんか?
お笑い番組やギャグ漫画、あるいはバラエティーで誰かが容姿や発言をいじられて、周囲が大笑いする光景。
昔は「そういうものだ」と受け入れられていた場面も、時代の変化とともに「それってどうなんだろう」と感じる人が増えてきました。
お笑いが好きな人にとっては少し切ない現象かもしれませんけど、ここには大切な気づきが隠されています。
それは人を下げて得る笑いが、日常生活や仕事にまで悪影響を及ぼす可能性があるということです。
なぜ人を下げる笑いが成立するのか
まず考えたいのは、なぜ人を下げると笑いが生まれるのかということです。
心理学的にいえば、それは優越感によるものです。
誰かが失敗したり、欠点をあげつらわれたりすると、見ている側は自分が相対的に優位に立ったように感じます。
この「自分の方が上」という感覚が心地よく、それが笑いとして表れるのです。
つまり、人を下げる笑いは、他者を犠牲にして自尊心を満たす仕組みで成り立っているといえます。
しかし、この笑いはフィクションの世界でなら成立しても、現実に持ち込むと不快感や傷つきを伴い、
笑いどころか人間関係の亀裂を生む危険性があるのです。
フィクションと現実の曖昧な境界
映画や漫画は明らかにフィクションであるため、「これは演出だ」と受け止められます。
ところが、お笑い番組は現実との境界が曖昧です。
芸人同士の掛け合いも「リアルな人間同士のやりとり」と見えてしまうため、
人を下げる笑いがそのまま現実世界での言動に持ち込まれやすいのです。
その結果、職場や学校で誰かをいじることが日常化し、「笑いのためなら多少は仕方ない」と無意識に考える癖がついてしまいます。
仕事での悪影響
この癖が仕事で現れるとどうなるでしょうか。
会議で誰かの意見を茶化したり、同僚の失敗をネタにしてしまう。
最初は笑いが起きても、やがて「この人は人を下げてしか場を盛り上げられない」と見透かされます。
信頼は損なわれ、協力関係が築きにくくなるのです。
つまり、人を下げる笑いは一時的には場を和ませるかもしれませんけど、長期的には人間関係を壊す要因となる危険な行動なのです。
克服するための「お笑いデトックス」
では、この癖をどうすれば克服できるのでしょうか。
おすすめしたいのが「お笑いデトックス集中期間」です。
一定期間、人を下げるタイプのお笑いを意識的に観ないようにするのです。
その代わりに、自分の生活に「感謝集中期間」を取り入れてください。
誰かに対して「ありがとうございます」と心の中でつぶやいてみてください。
この習慣を持つだけでも、思考のパターンは変わっていきます。
人を下げる代わりに感謝を積み重ねることで、自然と相手を尊重する姿勢が育ち、信頼関係を築きやすくなるのです。
笑いの本質を再定義する
笑いの本質は、人を下げることではなく「共感」と「発見」にあります。
ある状況の意外な一面を指摘したり、誰も気づかなかった面白さを共有したりすることが、
本来の笑いの健全な形です。人を下げない笑いは相手の尊厳を守りつつ、場の空気を和ませることができます。
つまり、人を下げる笑いに頼らなくても、あなた自身がユーモアを持ち、温かい空気をつくることは可能なのです。





