
こんにちは。
毛利まさるです。
失敗したくない心理とセールストークの関係
最近では、人気漫画が映画化されて大ヒットするケースが増えています。
興味深いのは、そのストーリーをすでに知っている人であっても映画館に足を運ぶことが多いという点です。
私自身もそうなのですけど、なぜ人は既知の内容をわざわざ時間とお金を使って映画で観るのでしょうか。
その裏にあるのは「失敗したくない心理」です。
約2時間と数千円というコストを投じる以上、できるだけ確実に楽しめる選択をしたいという無意識の働きです。
原作漫画がすでにヒットしているなら、その映画も一定のクオリティが担保されていると考える。
これが「安心できる選択」を支える根拠になっているのです。
失敗回避の心理メカニズム
人は損失を避けたい生き物です。
心理学の「プロスペクト理論」でも示されているように、人は利益を得る喜びよりも、損失を被る痛みを強く感じます。
たとえば、1000円を得る喜びよりも、1000円を失う痛みの方が大きく感じられるのです。
映画にしても同じです。「せっかく時間をつくって観に行ったのに、面白くなかったら嫌だ」という気持ちが、
既に評価の定まっている作品に人を向かわせるのです。
このように人間は無意識に「失敗しない選択」を探し続けています。
セールストークへの応用
この心理はセールストークでも大いに活かせます。
お客様が商品やサービスを選ぶときに一番恐れているのは「損をすること」です。
だからこそ営業の現場では「失敗させない」というメッセージが強い説得力を持ちます。
たとえば「すでに多くの企業で導入され成果が出ています」という事例提示は、まさに失敗回避の心理に訴えかけています。
また「返金保証がある」「無料トライアルができる」といった仕組みも同じ効果を持ちます。
顧客が「これなら失敗しない」と思えれば思えるほど、行動に移しやすくなるのです。
「安心感」をどうつくるか
ここで重要なのは、営業において「安心感」をどう設計するかです。
顧客にとって安心感を与える要素はさまざまです。
第三者の声、数値データ、口コミ、そして営業担当者自身の誠実さ。
これらを組み合わせて「この選択は失敗しない」と思わせることが、セールストークの本質だといえます。
人が漫画の映画化作品に安心してお金を払うように、顧客もまた「失敗したくない」という心理で意思決定をします。
営業の場で大切なのは、この心理を無視せず、安心感を提供することです。
セールストークで事例や保証を提示するのはもちろん、顧客が「失敗しない」と心から思えるように導くこと。
それが信頼を生み、契約につながるのです。





