
こんにちは。
毛利まさるです。
「この人の話、なんとなく聞き流しちゃった…」という経験はありませんか?
会議やプレゼン、商談の場で「なんか退屈だったな」と感じたこと、きっと一度はあるはずです。
同じセールストークでも、ある人が話すと面白いし聞きたくなる、
しかし別の人が話すと急に眠くなる。
そんな現象、思い当たりませんか?
実はその違い、単に話し方の上手下手では片づけられません。
相手の耳を引きつけるのに必要なのは、「話し方の工夫」と「適度な緊張感」の両方なのです。
伝え方の工夫だけでは足りない
もちろん、声のトーン、身振り手振り、間の取り方といった伝え方の工夫は重要です。
これができていないと、どんなに内容がよくても響きません。
しかし、どれだけ演出に気を配っても、「話の中身に得がない」と、聴き手はどこかで気を抜いてしまいます。
これが厄介なところ。人間は「自分に関係がない」と思った瞬間から、意識を飛ばしてしまうのです。
だからこそ、話し手が意識すべきなのは、「この話を聞き逃すと損だ」と相手に思わせる適度な緊張感なのです。
聴き手が緊張感をもつ条件とは?
緊張感と言っても、威圧する必要はありません。怖がらせたり、不安を煽ったりするのは逆効果です。
そうではなく、「この情報を聞いたら得をするかもしれない」
「このタイミングを逃したらもったいない」というワクワク感を作ることが大切なんです。
たとえばこんな言い回し。
「ここだけの話なんですが…」
「実は、最近こんな裏話がありまして」
「これを知っているだけで、ライバルと差がつきます」
このようなセールストークの中に“限定性”や“特別感”を含めることで、聴き手は自然と集中します。
聞き漏らせない空気が生まれるからです。
「得のある情報」を必ず一つ入れる
ここで、ひとつ大切な問いかけをさせてください。
あなたの話には、「聞き手が得する情報」がありますか?
もし、自分の話を聞いて「それ、面白いね!」「知らなかった、ありがとう」
と思ってもらえる自信がないのであれば、何か一つでも、聞き手の「得」になる要素を加えてみてください。
それは豆知識でも、成功事例でも、失敗談でも構いません。
要は「この話を聞けてよかった」と思えるかどうかです。
得のある話には力があります。そして、その話を通じてあなた自身の印象まで良くなっていくのです。
緊張感のあるトークの極意とは?
私が思うに、緊張感あるセールストークとは、「聞かせよう」ではなく「引き込もう」という意識から始まるものです。
つまり、一方通行ではなく、聞き手を巻き込んでいく感覚です。
実際、「このあとどうなると思いますか?」「あなたならどうしますか?」といった問いかけを挟むだけでも、聴き手の思考が動き出します。
受動的だった聴き手が、能動的になるんです。
そうすると、空気が一変します。会議室の空気、商談の空気、プレゼンの空気。
それぞれが、ピンと張りつめたいい緊張感を持ち始めます。
話し手自身が本気で語っているか?
そしてもう一つ、大切なことがあります。それは「話し手自身が、どれだけ本気で話しているか」という点です。
同じ内容でも、話す人の温度が違うと、聞こえ方も大きく違います。
なぜなら、聞き手は言葉の内容だけでなく、話し手の“熱”を敏感に感じ取っているからです。
つまり、聴き手に緊張感を持ってもらいたければ、まず自分自身がその話に真剣であること。そこから始まるのです。