
こんにちは。
毛利まさるです。
ストレスのない毎日を送りたい。
このように思ったことはありませんか?
たしかに、ストレスは悪者として語られることが多く、
心と身体の健康を蝕む元凶のように捉えられがちです。
であるものの、ストレスを
すべて排除すればいいという単純な話ではありません。
過度なストレスは有害である一方、
適度なストレスは成長を促す“刺激”なのです。
この考え方は、心理学における有名な理論
「ヤーキーズ・ドットソンの法則」に基づいています。
1908年、ロバート・ヤーキーズと
ジョン・ドットソンが提唱したこの法則によれば、
人間のパフォーマンスはストレス(緊張)とともに上昇し、
ある一定のレベルに達すると最大化する。
しかし、それを超えると、逆にパフォーマンスは低下してしまうのです。
つまり、「ストレスがない状態」ではやる気も集中力も高まらず、
「ストレスが多すぎる状態」では不安や疲労に押し潰されてしまう。
その中間、ほどよい緊張感があるときにこそ、
人はもっとも力を発揮できるというわけです。
この原則は、レジリエンス(心の回復力)という観点からも
重要な示唆を与えてくれます。
ストレスがまったくない環境では、
レジリエンスは鍛えられません。
逆に、過酷すぎる環境では心が壊れてしまう。
その中間の「適度な負荷」によって、
私たちの心は柔軟さと強さを身につけていくのです。
たとえば、運動を通じて筋力を高めることを考えてみてください。
何の負荷も与えずに筋肉が育つことはありません。
しかし、無理な重量や過剰な頻度でトレーニングすれば、
怪我や疲労が積み重なり、逆効果となります。
心も同じで、負荷ゼロでは成長せず、過負荷では壊れてしまうのです。
重要なのは、ストレスを完全になくす環境に置くことではなく、
「扱える状態に調整する」ことです。
適度なストレスは、私たちに集中力をもたらし、
挑戦心を刺激し、成長のスピードを加速させてくれます。
そして、乗り越えたときの達成感や自信が、
レジリエンスという力として蓄積されていくのです。
この絶妙なバランス感覚こそが、
現代を生き抜くための真の自己管理力であり、
レジリエンスの核心なのです。