セールスは勝ち負けではない。“価値観”を届ける営業とは?

こんにちは。
毛利まさるです。

商談で勝ち負けを意識してしまう経験はありませんか?

営業をしていると、つい「この商談は取れるかどうか」
「競合に勝てるかどうか」と勝ち負けの感覚に引きずられることがあります。

とくに提案先で競合の話が出てきた瞬間、心の中で勝負スイッチが入る…。

そんな経験をされたことはないでしょうか?

もちろん、契約が取れればうれしいし、評価にもつながります。

しかし、だからといって「勝たねばならぬ」と力みすぎてしまうと、逆にお客さんの心が離れてしまうこともあるのです。

セールスにおける“勝ち負け”の罠

よく「セールスメンタル」という言葉が使われますけど、これは相手を言い負かす技術ではありません。

あくまでも、自分の思いや価値観を伝える力のことです。

マーケティングの世界では「ターゲティング」「戦略」「戦術」など、戦争用語のような言葉が飛び交います。

これらは分析や展開を整理するためには有効な枠組みであるものの、商談の現場では誤解を招く可能性もあるのです。

なぜなら、お客さまと私たちは「戦っている」のではなく、「協力して課題を解決する関係」であるからです。

価値観のすり合わせこそが本質

本当に大切なことは、「私たちの商品やサービスが、なぜ価値があるのか」をお伝えし、その価値を「お客さまの視点」で考えることです。

ここでポイントとなるのは「価値は絶対的なものではなく、相対的である」ということです。

つまり、どんなに良いサービスでも、その価値をお客さまが感じてくれなければ、それは“存在しない”のと同じなのです。

たとえば、あなたが扱っている製品が「効率化」をテーマにしているとします。

けれど、お客さまの関心が「安全性」や「サポート体制」にあるなら、その製品が“いかにすごいか”を説明しても、響かないのです。

だからこそ、私たちが伝えるべきなのは「価値観」なのです。

自分たちがなぜこの商品に自信を持っているのか、どうしてこれが役に立つのかを、相手の視点に寄り添って伝える。

それが、セールスの本質です。

共感が、最強のセールス力になる

これはセールスにも通じます。
勝とうとすることに意識を向けるのではなく、相手にとって価値があると“感じてもらえる方法”を考える。

つまり、相手の価値観に共感し、その上で自分の価値観を伝えることが、もっとも強力な武器になるのです。

「伝える」から「伝わる」へ

伝えることが目的ではなく、「伝わる」ことが目的です。

そのためには、自分の言葉を押し通すのではなく、相手の言葉や価値観を聞き、すり合わせていく対話力が求められます。

だからこそ、商談に勝ち負けを持ち込むのではなく、「この人にとっての価値とは何か?」を真剣に考えるのです。

そうすると、セールスという仕事がより奥深く、面白く感じられるようになります。

たとえ競合に契約を取られたとしても、あなたが価値を伝えきったと感じられたなら、それは十分に“勝ち”なのです。

なぜなら、その経験は次の商談に必ず活きるからです。