
こんにちは。
毛利まさるです。
営業の現場や日常の会話で、自分では普通に話しているつもりなのに、相手の反応がどこか微妙に感じた経験はありませんか?
「なんとなく距離を置かれた気がする」
「思ったほど話が盛り上がらない」。
その背景には、あなたが気づかないまま “自慢っぽく聞こえる話し方” になっている可能性があります。
もちろん、あなたは自慢をしたいわけではありません。
努力してきたこと、経験してきたこと、役に立つと思った知識を共有したいだけなのです。
であるものの、話す順番や流れ次第で、相手の受け止め方はまったく変わってしまいます。
なぜ自慢に聞こえてしまうのか?
あなたは知らないうちに自分の話が自慢に聞こえていなかったでしょうか?
その原因は、内容そのものではなく “脈絡のない語り出し方” にあります。
人は、突然情報を提示されると、その意図を測りかねます。
たとえば急に「自分は過去にこういう成果を出した」と話せば、
相手は「なんで今それを言うの?」と感じ、
その結果、自慢しているように聞こえてしまうのです。
あなたが伝えたいことがどれだけ価値ある経験であっても、
“意図がつかめないまま成果だけを話されると、人は距離を置く”という心理が働きます。
それは、話の流れのなかに相手への配慮が含まれていないからです。
会話には「前振り」という導線が必要
では、自慢に聞こえないためには何が必要でしょうか?
答えはシンプルで、話す前に「背景」と「意図」を添えることです。
つまり、話の土台となる前振りを作るということです。
映画の話をするときも、いきなり「この映画のここが最高だった!」とだけ言われても、相手は置いてけぼりになります。
しかし「最近こういうテーマの映画にハマっていて、その中でも一番心に残ったのが…」と前振りがあれば、相手は自然と話に入り込めます。
会話とは相手を巻き込むプロセスであり、前振りとはその“入り口”の役割を担う重要な要素なのです。
たとえば経験談を話すときも、
「この前クライアントと話しているときに、ちょっと面白い気づきがあったんだけど…」
という一言があるだけで、相手はあなたの話を“知識の押し付け”ではなく“共有された気づき”と受け取るようになります。
自慢との境界線は「相手の視点」を意識できるかで決まる
話が自慢に聞こえる人ほど、自分の経験を“成果”として語りがちです。
しかし、自慢に聞こえない人は同じ内容でも“学び”として語ります。
成果を中心に語ると、「すごいでしょ?」というエネルギーが相手に伝わり、
学びを中心に語ると、「あなたにも役に立つかもしれない」という温度感になります。
この差が、会話の印象を大きく変えるのです。
話の内容が同じであっても、前振りと相手視点が加わることで、話は一気に“共有の体験”に変わります。
自慢と共有の違いは、その瞬間に生まれます。
心地よい会話は「導線」と「背景」がつくる
人は、前提がわかれば安心して相手の話を聞くことができます。
逆に、前提が曖昧なまま話をされると、不安や違和感が浮かび上がります。
自慢に聞こえるかどうかは、内容の問題ではなく、
あなたが相手の心理的な導線を作れているかどうかに左右されるのです。
つまり、自慢に聞こえない話し方とは、相手に対する配慮の積み重ねです。
話の文脈、前振り、意図、背景。
これらを少し意識するだけで、あなたの会話は飛躍的に伝わりやすくなります。
会話は能力ではなく設計です。誰でも改善でき、誰でも磨けます。
そしてその改善は、営業における信頼関係づくりの核にもなります。





