ベネフィットの細分化

こんにちは。
毛利まさるです。

セールスの現場では、
顧客が「いらない」と判断する理由の多くが
「費用」にあります。

確かに、商品の価格が高いと感じれば、
顧客は購入をためらうでしょう。

しかし、その際に「価格」だけで
話を終わらせてしまうのは非常にもったいないことです。
なぜなら、顧客が本当に感じている「価値」は、
費用以外にも存在するからです。

そこで重要になるのが「ベネフィットの細分化」です。

顧客が抱えている課題や欲求を深く掘り下げ、
費用だけでなく「時間」や「人」、
さらには「心の充足」といった視点からも価値を伝えることが、
セールスにおいて大きな武器になります。

例えば、ある企業が新しい業務システムの導入を
検討しているとします。

担当者が「コストが高すぎるので難しいですね」
と断ってきた場合、そこで終わってしまうのは
セールスとして惜しい場面です。
ここで「時間」という視点を提示すると話は変わります。

「確かに導入費用はかかります。
けれど、このシステムを導入すれば、
月に20時間の作業が削減できます。
1年間で240時間です。

これが、もし5年間続いたら1,200時間。
つまり、コストがかかるのは導入時だけで、
その後は時間の節約がどんどん積み重なっていきます。」

こう伝えれば、顧客は
「コストがかかるからやめよう」ではなく、
「時間のロスを防ぐために導入するべきかもしれない」
と考え始めるのです。

さらに「人のコスト」を切り口にするのも効果的です。
例えば、新しいシステムが業務効率化を促し、
社員の負担が減ることで「残業が減る」や
「離職率が下がる」といったメリットが期待できるのであれば、
そこを伝えるべきでしょう。

このように「人の負担軽減」という視点を提示することで、
顧客は「このシステムは単なるコストではなく、
長期的な投資になるかもしれない」と感じるのです。

そして、見落としがちなのが「心のベネフィット」です。
商品やサービスがもたらす
「安心感」や「癒し」、「楽しさ」などの要素は、
顧客の意思決定に大きな影響を与えます。

たとえば、保険商品の営業であれば、
費用や補償内容だけでなく
「加入することで安心して生活できる」
という心の安定を伝えることが重要です。

「この保険は万が一のときに役立つだけでなく、
 日々の暮らしで『何かあっても大丈夫』という安心感が得られます。
 ご家族のためにも、その安心は大きな価値になると思います。」

このように「心の安定」や
「人生の質の向上」に着目して伝えることで、
単なるコストの話ではなく、
顧客の「豊かな暮らし」を実現する提案として響くのです。

セールスにおいて重要なのは、「価値を伝えること」です。

顧客にとっての本当のメリットが伝われば、
価格の壁は驚くほど小さくなります。

だからこそ、ベネフィットを細分化し、
多様な視点から伝えることを意識してみてください。
それこそが、セールスマインドを持つ人に求められるスキルなのです。