解決志向が逆効果になる瞬間

こんにちは。
毛利まさるです。

その質問、本当に前に進ませていますか

会議や1on1の場で、相手のためを思って質問したはずなのに、なぜか空気が重くなる。
相手の言葉が浅くなり、無難な答えだけが返ってくる。

あなたは、そんな経験をしたことがあったのではないでしょうか?

「解決につながる質問をしよう」
この言葉自体は、とても正しく、仕事ができる人ほど大切にしている考え方です。

しかし、その姿勢が強くなりすぎたとき、知らず知らずのうちに相手を追い詰めてしまうことがあります。

「解決につながる質問」に潜む、見えないメッセージ

「課題解決につながる質問をする」という言葉は、便利であるものの、実は強い前提を含んでいます。

それは、
解決に向かわない答えには価値がない
望ましい方向はすでに決まっている
という無言のメッセージです。

質問者にそのつもりがなくても、受け取る側はこう感じます。

「ちゃんとした答えを出さなければならない」
「迷っている自分を見せてはいけない」

その結果、相手はどうなるでしょうか。

表層的に進むが、本質に触れない状態

その結果、
自分の感情や違和感を置き去りにする
“それっぽい答え”を作りにいく
本音ではなくロジックを話す

こうした状態に陥りがちになります。
一見すると、会話は前に進んでいます。
資料は埋まり、議事録も整う。

しかし実際には、誰も核心に触れていない。
表層的には進んでいるが、本質には触れない会議が出来上がってしまうのです。

おわかりでしょうか?

問題は質問の質ではなく、「問いが置かれている前提」なのです。

なぜ人は「正解を求められる」と黙るのか

人は、評価される場に置かれた瞬間、防御的になります。
特に「解決」という言葉が前に出た瞬間、その場は無意識に試験会場に変わります。

間違えたくない。
幼稚だと思われたくない。
期待を裏切りたくない。
それは弱さではありません。

人として、とても自然な反応です。
しかし、その空気の中では、どれだけ質問しても、本音は出てきません。

質問しても質問しても、返ってくるのは“正しそうな言葉”だけです。

本当に必要なのは「解決」ではない場面もある

ここで一度、立ち止まって考えてみてください。
あなたは、相手のために質問しているつもりで、
「早く答えを出させること」に意識が向きすぎてはいなかったでしょうか。

あなたは~だったのではないでしょうか?

相手が何を感じているかよりも、どうまとめれば前に進んだことになるかを優先していた。
その結果、相手は話しているのに、どこか置き去りにされた感覚を持っていた。

それは、解決がゴールだと無意識に決めてしまっていたからです。

解決を急がない問いが、結果的に前に進ませる

では、どうすればよいのでしょうか。

答えはシンプルです。

「今すぐ解決しなくてもいい問い」を許すことです。

たとえば、

「今、どこが一番引っかかっていますか」
「言葉にならない違和感があるとしたら、どのあたりですか」

こうした問いは、すぐに成果を生みません。

しかし、相手の内側にある未整理な感情に光を当てます。
ですので、本音が出てくるのです。
解決を後回しにしても、信頼のため遠回りに見えても、結果的に前に進むのです。

逆に言うと、答えを急がせる問いは信頼を育てない

逆に言うと、

「それで、結論は?」
「じゃあ、どうするんですか?」

こうした問いを重ねても、相手は深く考えなくなります。
考えている“ふり”は上手くなりますが、腹落ちはしません。
逆に言うと、信頼関係がない状態では、どれだけ正しい質問をしても、前進にはなりえないのです。

質問は、導くものではなく、開くもの

質問とは、相手を正解に導くための道具ではありません。
相手の内側が、安心して開かれるための鍵です。
解決につながる質問を捨てる必要はありません。

しかし、その前に「今は解決を求めない」という選択肢を持つこと。
それだけで、会話の深さは大きく変わります。
あなたの問いが、相手を追い込むものではなく、
相手が自分の言葉を取り戻すきっかけになることを願っています。

またいつでも、壁打ち相手になります。