
こんにちは。
毛利まさるです。
消えた理由とセールスメンタル
あなたは全車両二階建ての巨大な新幹線をご存じでしょうか。
E4系と呼ばれる新幹線で、世界で唯一全車両二階建てという特異な存在でした。
あの堂々たる車体、地方から東京に通うビジネスマンの姿、旅行や帰省で賑わう車内。
かつては「働く人たちを支える象徴」ともいえる存在であったのです。
であるものの、このE4系はすでに引退しました。
その理由は単に老朽化ではなく、時代の要請に応えられなくなったからです。
ここから、私たちが学べるのは「消えた理由」こそが未来を読み解くヒントであり、
営業においてもセールスメンタルを支える基盤になるということです。
E4系が担った役割
E4系が生まれた背景には「大量輸送」がありました。
バブル崩壊後も首都圏への通勤需要は高く、新幹線で毎日通う人々も少なくなかった。
通勤快速のように使われ、二階建ての座席は人々の生活を支える大きな器だったのです。
つまり、その存在意義は「いかに多くの人を快適に運ぶか」という点にありました。
これは営業でいえば「とにかく数をこなす」というマインドに似ています。
数を回り、多くの顧客に接触し、面談数を武器にして成果を出すというスタイルです。
E4系はまさに、その時代のニーズに合致していました。
消えた理由は「速さ」
しかし、時代が進むと利用者のニーズは変わりました。
新幹線通勤は減少し、ビジネスや旅行において「より速さ」を求められるようになったのです。
E4系の最高速度は240km/h程度であったのに対し、後継のE5系は320km/h。この差が決定的でした。
「たくさん乗れる」よりも「早く着ける」ことが優先されるようになり、E4系はその役目を終えたのです。
ここで重要なのは、「消えたものには必ず理由がある」という点です。
営業の世界でも「昔はうまくいったやり方が今は通用しない」という現象が必ず起きます。
数をこなすことが武器であった時代から、今は「質」や「効率」に焦点が移っているのです。
E4系が消えた理由を見極めるように、相手の言葉の裏側にある「変化」を読む力こそが求められるのです。
背景をつかむセールスメンタル
時代の背景をつかむことは、営業においても同じです。
単なる「売れない」という現象の裏には、顧客の価値観の変化、市場の流れ、競合の動きが隠れています。
それを見抜けなければ、やがて自分自身が「E4系」のように時代に取り残されるかもしれません。
逆にいえば、「なぜ消えたのか」を学ぶことで、自分の行動や戦略をアップデートできるのです。
E4系は消えたであるものの、その存在は私たちに大切な示唆を与えてくれます。
つまり「大量輸送から高速化へ」という変化の背景を読むこと、そしてその背景をつかむ視点を持つこと。
これが営業の現場でお客さんの言葉の奥を理解し、本当のニーズに応える力になるのです。
セールスにおいても人生においても、「消えた理由」を学ぶことこそが進化への第一歩なのです。





