
こんにちは。
毛利まさるです。
自分という存在をどう捉えるか
あなたは「これだけ誠心誠意頑張っているのに、誰からも評価されていない…」
と落ち込んだことはありませんか?
私もそのような気持ちに押しつぶされそうになった経験があります。
真面目に働き、周りの期待に応えようと努力しているのに、成果が目に見える形で評価されない。
この葛藤は、多くの人が社会人生活の中で一度は直面するものだと思います。
この時に重要なのが、あなたという存在をどこでどう評価してもらうかを見つめ直すことです。
職場だけがすべてではなく、評価の軸を広げることが大切なのです。
伯夷と叔斉の教え
ここで紹介したいのが、中国の歴史家・司馬遷が『史記列伝』に記した伯夷(はくい)と叔斉(しゅくせい)の物語です。
この兄弟は義に厚く、王に逆らってでも自らの信念を貫いた人物として知られています。
しかし、その結果は必ずしも報われるものではなく、聖人でさえ報われないという現実を示しています。
この逸話は、努力や誠実さが必ずしも直ちに報酬や名誉につながるわけではない、という厳しい現実を伝えています。
であるものの、私たちが学ぶべきは「努力が無意味だ」という絶望ではありません。
「どこで誰に自分を知ってもらうか」という視点を変える必要がある、ということです。
現代における「存在の証明」
現代社会は、古代とは大きく異なります。
閉ざされた村や小国だけで人生が決まる時代ではなく、SNSや転職、異動など、多様な環境で自分を表現する機会があります。
つまり、あなたの努力や価値は、今の職場だけで判断されるものではないのです。
たとえば昔の同僚に近況を伝えることも一つの方法ですし、SNSで自分の学びや挑戦を発信することもできます。
あるいは、顧客や取引先とのやり取りで自分の存在が光る瞬間もあるでしょう。
評価の場を一つに固定せず、あなたの存在を知ってもらう場を増やすことで、心のレジリエンスを保てるようになります。
評価に縛られないための考え方
「職場で評価されなければ終わりだ」と考えてしまうと、どうしても心が疲弊してしまいます。
しかし、会社という小さな世界だけが人生のすべてではありません。
人生はもっと広く、多様な関わりの中で彩られていきます。
つまり、あなたの「存在の証明」は、目の前の評価だけではなく、出会う人や経験の積み重ねで築かれていくものなのです。
そして、それを意識するだけでも心の余裕が生まれます。
「ここで評価されなくても、別の場所で自分を活かせばいい」と考えられることこそ、真のレジリエンスだと思います。
伯夷と叔斉の逸話は、一見すると「努力しても無駄」という悲しい教えに思えるかもしれません。
けど、現代においては「報われない努力もあるが、評価の場を変えれば報われることもある」と解釈できるのです。
あなたという存在を知ってもらえる人を増やすことで、職場での評価に縛られず、自分の生き方に誇りを持つことができるのです。





