
こんにちは。
毛利まさるです。
提案の途中で「ちょっと予算が合わなくて」と言われて沈黙。
あるいは「前にも似たサービス使って、あまり効果なかったんだよね」とサラッと流される。
あなたも一度は、お客さんの言葉に戸惑った経験があるのではないでしょうか?
その瞬間、「どう返せばいいんだ」「なんて不安な人なんだ」と感じるかもしれません。
しかし、ここで大事なのは、その“不安”や“断り”の言葉を、ただの拒否と捉えるのではなく、
金言として受け取る感性なのです。
お客さんの言葉は、最もリアルな教材
私たちは日々、セールス資料を読み込み、プレゼンのトークを磨き、ロープレに取り組みます。
であるものの、どれだけ練習をしても、本番で飛び出す“お客さんの生の言葉”にはかないません。
たとえば、あなたが準備した「効果は高いです!」というトークに対して、
「それってエビデンスあるんですか?」と返されたら、それがお客さんの本音です。
それは、不信感かもしれないし、過去の失敗経験に基づく警戒心かもしれません。
ここでスルーしてしまうと、その先の信頼は築けません。
逆に「そういったご経験があったんですね」と受け止めたうえで、
「実際に○○の事例では~」と相手の言葉を起点に会話を組み立てることができれば、
信頼の一歩となります。
セールスは“説得”ではなく“理解”から始まる
ここで意識してほしいのが、「説得の前に、理解があるかどうか」です。
お客さんの言葉を拾わず、自分の用意したトークを一方的に展開しても、会話はかみ合いません。
「お客さんにこう言われて困った…」そんな経験はありませんか?}
人は「自分の話をしっかり聞いてくれる人」に心を開きます。
つまり、断りの言葉が出た時こそ、「その言葉の背景にあるものは何か?」と想像し、
問いかけることが大切なのです。
「前も同じような商品使ったんだけどね」
この一言の裏には、「効果が実感できなかった」
「サポートがなかった」「担当が適当だった」…
いくつもの不満が隠れているかもしれません。
それを「うちの商品は違いますよ」と急いで説得するのではなく、
「前の時はどんなところが不満だったんですか?」と、寄り添って聴くこと。
ここに、セールスメンタルの真髄があります。
一番強い言葉は、自分の言葉ではなく“お客さんの言葉”
ここがポイントです。
私たちが一生懸命つくったトークよりも、お客さん自身が発する言葉のほうが、
はるかに説得力があるということ。
たとえば、お客さんが「これは便利ですね」と言ってくれたら、
その一言を次回の商談で活用できるのです。
「実際に、○○様からも『これは便利ですね』とのお声をいただいています」と伝えれば、
それはお客さんの声=社会的証明になります。
つまり、お客さんの言葉は“反論”でもあり、“資産”でもある。
この視点を持てるようになると、断られても凹まなくなります。
むしろ、断られたときこそ、“宝のヒント”を手に入れたと思えるようになります。