
こんにちは。
毛利まさるです。
あなたは「天使の取り分」をご存じでしょうか?
「天使の取り分(エンジェルズシェア)」とは、ウイスキーやワイン、ブランデーなどを木樽で熟成させる過程で、
アルコールや水分が少しずつ蒸発し、内容量が自然に減っていく現象を指します。
毎年およそ2〜3%。誰かが盗んだわけでも、失敗したわけでもありません。
静かに、確実に、時間とともに失われていく。
この現象を、人々は「天使が飲んでいった」と表現しました。
ロマンティックで、美しく、そしてどこか切ない言葉です。
失われるからこそ、価値が生まれる
興味深いのは、天使の取り分があるからこそ、ウイスキーは深みを増すという点です。
量は減る。しかし、香りや味わいは研ぎ澄まされていく。
つまり、失われること自体が、熟成の一部なのです。
人生も同じです。
私たちの時間も、毎年確実に蒸発しています。取り戻すことはできません。
しかし、その時間をどう使ったかによって、人は驚くほど変わります。
何もせずに失われた時間は、ただの消失であるものの、意図をもって使われた時間は、人格や思考、判断力として熟成されていきます。
将来の自分に残るもの
忙しい毎日の中で、「今日は何も積み上げられなかった」と感じる日もあるでしょう。
しかし、たとえ1日30分でも、学び、考え、振り返る時間を確保していたなら、その時間は確実に将来のあなたに染み込んでいます。
目には見えません。しかし、数年後、意思決定の速さや言葉の重みとなって現れます。
逆に言うと、時間を将来に使わなければ、年齢を重ねても中身は熟成されないのです。
おわかりでしょうか?
人における天使の取り分は、放っておけば奪われるものですが、意識すれば投資に変わります。
天使に任せきりにしない
ウイスキー職人は、天使の取り分を嘆くだけではありません。
どの樽で、どの環境で、どれくらい寝かせるかを考え抜きます。
蒸発は避けられない。しかし、その先にある価値を信じて、待つのです。
私たちも同じです。
将来のために時間を割くことは、すぐに成果が出ないため、不安になります。
しかし、だからこそ意味があります。
今日使った30分は、明日には見えない。しかし、5年後には確かな差になります。
天使の取り分を、自分の熟成に変える
時間は平等に失われていきます。
しかし、熟成するかどうかは選べます。
天使にすべてを委ねるのか、それとも自分の未来のために差し出すのか。
その選択の積み重ねが、人生の味わいを決めるのです。





