人の悪口に同意しない。それでも関係性を壊さない会話術

こんにちは。
毛利まさるです。

なぜ、あなたはその場で言葉に詰まってしまうのか

職場でこんな場面に出くわしたことはなかったでしょうか。
誰かが人の悪口を交えながら笑いを取り、あなたに同意を求めてくる。

あなたはどう返すのが正解かわからず、曖昧に笑うか、無難な相槌でやり過ごしていたのではないでしょうか?

その結果、家に帰ってから「あの対応でよかったのだろうか」と、モヤモヤが残ったと思います。
それはあなたが優柔不断だからではありません。

それは、その場で「誰の味方に立つか」という二択で考えてしまっているからです。
ですので、心の中でブレーキがかかるのです。

悪口の同意は、一瞬で信頼を削る

たとえば、人の悪口で笑いを取る人がいます。
「Bの考えはおかしいだろ?」「あいつ、何を言っているかわからないよな?」

そう言われて「そうですよね」と返した瞬間、あなたはAさんと一緒にBさんを下げた側になります。

ここで重要なのは、その場にいないBさんだけでなく、Aさん自身もあなたを評価しているという点です。

「この人は、場の空気次第で誰のことでも言う人なんだな」
そう無意識に認識されてしまいます。

否定しても、関係性は良くならない

一方で、「そうではありません」と真正面から否定した場合はどうでしょうか。
今度はAさんのプライドを傷つけることになります。

その結果、空気が重くなり、会話自体が止まってしまう。
あなたは正しいことを言ったにもかかわらず、居心地の悪さだけが残る。

これもまた、多くの人が経験しているはずです。
つまりこの場面は、「同意」か「否定」かの問題ではありません。

視点をどこに置くかの問題なのです。

視点を「人」から「事実」にずらす

板挟みの場面で有効なのは、評価や感情から一歩距離を置くことです。

たとえば、こんな返しがあります。

「なるほど、Aさんにはそのように見えているのですね。Bさんとは一度、その言葉の真意を詳しく確認してみる必要がありそうですね」

この一言で、あなたは誰の悪口にも加担していません。

同時に、Aさんを否定もしていません。
また、こんな言い方もあります。

「Bさんの言い方は独特かもしれませんが、何か彼なりに守ろうとしている数字やルールがあるのかもしれませんね」

ここであなたがしているのは、擁護ではありません。
解釈の幅を示しているだけです。

ですので、場の温度を下げながら、会話を前に進めることができるのです。

評価される人は、空気ではなく構造を見る

成果が出ている人ほど、こうした場面で消耗しません。
なぜなら、感情ではなく構造を見ているからです。

人の悪口が出る背景には、たいてい「不安」「焦り」「立場の弱さ」があります。
それを理解したうえで、話題を整理する側に回る。

それができる人は、自然と「冷静で信頼できる人」として認識されます。
たとえすぐに評価されなくても、そうした行動を積み重ねた人は、後から必ず声がかかります。

逆に言うと、場当たり的に同意を重ねた人が、重要な局面で選ばれることはほとんどありません。

板挟みは、あなたの価値を示すチャンス

人の悪口の板挟みは、避けたい場面であるものの、見方を変えればチャンスです。
自分の立ち位置を、静かに示せる場だからです。

誰かを下げなくても関係性は築ける。
誰かに同意しなくても信頼は得られる。

そのことに気づいたとき、あなたの会話は一段深くなります。

ですので、次に同じ場面に出会ったときは、焦らなくて大丈夫です。

あなたはもう、丸く収める言葉を持っています。