
こんにちは。
毛利まさるです。
自分の熱量だけでは会社は動かない
あなたは「これをやりたい」「こうすればもっと良くなるはずだ」という思いを胸に、上司や他部署に熱く語ったことはありますか。
自分としては全力の提案であるものの、相手の反応はいまひとつで、「なぜ伝わらないんだろう」とモヤモヤした経験をした人も多いはずです。
しかし、これはあなたの情熱が足りないわけではありません。
会社は組織体です。
つまり「個人のやりたいこと」だけでは動かない仕組みになっています。
会社全体としての目的、部署ごとの役割、上司の立場、その時の経営状況、さまざまなバランスが存在するからです。
会社が動く条件は、個人の願望ではなく「提供価値」
会社に何かを提案するとき、まず必要なのは「自分のやりたいこと」だけではなく、自分が提供できるスキルや経験を明確にすることです。
これはまさにセールストークと同じ構造です。
セールスは、自分が売りたい商品を押しつける行為ではありません。
相手が求めている価値を理解し、その価値をどのように形にして渡せるかを示す行為です。
これと同じように、社内提案も「私はこれをやりたいです」ではなく、
「私はこのスキルを使ってあなたや部署にこれだけのメリットを提供できます」という形にする必要があります。
会社にとっても部署にとっても「メリットが明確な提案」なら、関係者を巻き込みやすくなります。
逆に、どれだけ熱量があっても、自分にしか価値がない場合は前に進みません。
これは厳しいようであるものの、組織におけるリアルです。
巻き込み力はセールスそのもの
社内の巻き込み力とは、結局のところ「相手を動かす力」です。
そして相手を動かすためにはロジックや資料の美しさよりも、相手が受け取るベネフィットが明確であることが圧倒的に重要です。
あなたの提案がどれほど素晴らしくても、相手が「自分には関係ない」と思えば、その提案は存在しないに等しくなります。
これはセールスの世界で常に言われることです。商品が良くても、お客さんが欲しいと思わなければ売れません。
社内ではお金が動いていないように見えますけど、実際には「時間」「リソース」「社内的信用」など、目に見えないコストが動いています。
だからこそ巻き込むためのロジックは、社内の方がむしろ複雑です。
営業スキルを持っている人が社内提案でも強いと言われるのは、相手の視点に立って語れるからなのです。
「相手の視点」をどれだけ持てるかが勝負
巻き込み力を高めるためには、相手の視点を深く掘り下げる姿勢が不可欠です。
上司は何を求めているのか。経営層はどんな戦略を描いているのか。
他部署はどんな課題を抱えているのか。
この「相手のコンテキスト」を理解していない提案は、どれだけ良い話でも届きません。
これは営業で言うところの「顧客理解」とまったく同じであり、営業職でなくても必須のスキルです。
つまり、社内を巻き込む力とは、職種に関係なく身につけるべきセールススキルそのものなのです。
気づけばすべてが繋がっている
営業スキルは「売るための能力」ではなく、「価値を伝え、相手を動かす力」です。
社内提案も、新規プロジェクトの立ち上げも、他部署への協力依頼も、結局はすべて「価値を伝える行為」です。
自分の願望をただ押し通すのではなく、自分のスキルと相手のメリットを結びつけること。
この視点を持つことで、あなたの提案は驚くほど通りやすくなります。
そしてこの力は立場が変わっても普遍的に使える、最大級のビジネススキルなのです。





