読めばわかるはわからない

こんにちは。
毛利まさるです。

見ればわかるは、わからない

良い映画を友人にすすめる場面を想像してください。

「この映画めっちゃいいよ。見ればわかるから」と言われても、あまり心は動きませんよね。
しかし「この映画のラスト10分が本当に胸を打つ」「主人公の過去が明らかになるシーンが秀逸」と具体的に言われたら、途端に観たくなる。

これはセールスでも一緒です。

商談で「この資料を読めばわかります」「一度見ていただければ理解できます」と言ってしまっていたのではありませんか。
それは、映画を“ただすすめるだけ”と本質的に同じ行為です。

なぜか?

それは相手がその資料における「どこを見るべきか」を知らないからです。

つまり、相手が理解するための“視点”を与えられていない。

その結果、相手の頭の中には情報が入らず、意思決定も進まず、あなたの提案が後回しになったり、最悪の場合検討から外れたりするわけです。

「良さ」を言語化できなければ価値は伝わらない

「この資料は読めばわかります」と言っても、相手は忙しいのです。

どれだけ魅力的な資料であっても、目の前の相手が“今の自分に関係ある”と思わなければ手に取ってはくれません。

人は本質的に「自分に利益があると思わない限り、動かない」生き物だからです。
逆に言うと、“良さの視点”を与えられれば、相手は動くのです。

映画の見どころを伝えれば、観たくなる。
資料の価値を一言で示せば、読みたくなる。

ですので、あなたが商談でやるべきなのは、

「この資料の一番のポイントはここです」
「特に見ていただきたいのはこの部分です」

と“入り口”を渡すことなのです。

どれだけ資料を読み込んでいても、そのため「読めばわかる」という説明で済ませてしまうと、あなたの営業力は伸びません。

逆に言うと、視点を与える営業ができれば、どんな業界でも通用するレベルに一気に跳ね上がります。

営業とは「目の前の相手に焦点を合わせる技術」

営業が成果につながらない多くの人は、

商品説明はできているのに、「相手にとっての意味」を言語化できていません。

映画をすすめるときも、「私はここが好き」という“個人的な視点”を伝えるから、相手は感情的に動きます。

商談も同じです。

「この提案で、御社が今年直面している〇〇の課題は劇的に改善します」
「特にこの点は、先ほどお話しいただいた課題に直結します」

こうした“視点の付与”こそが、商談を動かす最大の武器です。

商品説明ばかりに時間を使い、「価値の翻訳」をしてこなかったとしたら
提案の良さが相手に届かず、「検討します」で終わる商談が増えていたのだと思います。

しかし安心してください。

営業力とは「相手の視点を与える習慣」を身につければ必ず伸びます。

最後に──あなたの営業は必ず変わる

「読めばわかる」「見ればわかる」という言葉は一見合理的であるものの、相手にとっては何も伝わりません。

営業とは、相手に“どこを見るべきか”を示す技術です。
そしてその技術は、誰でも今日から磨くことができます。

まずは一つだけで良いので試してください。

・資料を渡す前に「一番大事なポイントはここです」と伝える
・商品の説明より先に「相手の課題とのつながり」を話す
・見どころ(価値の焦点)を明確にする

この“小さな視点の提供”が、あなたの営業人生を変えます。