
こんにちは。
毛利まさるです。
先読みをするということ
社会人として働いていると、上司やお客さんの一言に「しまった」と思った経験は誰にでもあるはずです。
自分の提案に思いもよらぬ反応が返ってきたり、相手の質問に答えられずに困ったりすること。
こうした状況を防ぐカギになるのが、先読みです。
ここでいう先読みとは、単に「未来を予想する」という曖昧なものではありません。
たとえば、「上司がこの場にいたらどんな発言をするだろうか?」
「お客さんにこの提案をしたらどう反応するだろうか?」と、具体的に相手の立場に立って考えることです。
つまり、相手の行動や思考を前もって推測する力を養うことなのです。
観察が先読みの土台になる
ではどうすれば先読みができるようになるのでしょうか。
その答えは「普段の観察」にあります。
相手がどんな口癖を持っているか、どんなことに強くこだわるか、何に価値を置いているか。
こうした情報を日々のやり取りから集めておけば、先読みの精度は格段に高まります。
営業の現場を思い浮かべてみましょう。
あるお客さんは「コスト削減」に敏感で、別のお客さんは「安全性」を何より重視する。
日頃の会話や反応を注意深く観察していれば、次にこちらが提示する提案に対して、どの観点で反応するかを予測しやすくなります。
これはまさにセールスに直結する力です。
セールスと先読みの関係
営業で成果を上げる人ほど、この先読みを自然に使っています。
提案を作るときに、「この言葉を使うと相手は安心するだろう」
「ここを強調すると食いついてくるだろう」とシミュレーションを重ねているのです。
これはセールストークを単なる言葉の羅列ではなく、「相手の頭の中に届く言葉」に変えるプロセスです。
先読みは外れることもあります。
しかし、外れたからといって無駄になるわけではありません。
その失敗がまた新たな観察ポイントとなり、次の先読みの精度を高める糧となるのです。
上司を想定することで磨かれる力
先読みは営業に限らず、社内での立ち回りにも有効です。
会議で自分の意見を出すときに、「この場に上司がいたらどう反応するだろう」と想像することは重要です。
なぜなら、上司は自分とは違う視点で物事を見ているからです。
上司が重視するのは全体の調和かもしれないし、数字の根拠かもしれません。
その視点を先読みしておけば、突っ込まれた時に慌てる必要がなくなります。
精度を上げるための工夫
先読みを高めるには、相手の言葉だけでなく、行動のパターンを把握することが大切です。
人は無意識に同じ反応を繰り返す傾向があります。
いつも同じタイミングで眉をひそめる、あるフレーズを聞いた時だけ頷く。
こうした小さなサインを積み重ねることで、より確かな予測ができるようになります。
ここで重要なのは、「自分の予測が外れることを前提に考える」姿勢です。
完璧な先読みなど存在しません。
しかし、外れた時に「なぜ外れたのか」を検証すれば、そのプロセス自体が成長になります。





