
こんにちは。
毛利まさるです。
正論は正しいけど人を動かさない
世の中には、正論を振りかざす人がいます。
彼らは理屈や事実を武器にし、相手を完膚なきまでに論破しようとします。
エンタメ番組や討論番組であれば「おぉ!」と盛り上がる場面ですけど、実際に職場でやられたらどうでしょうか。
やり込められた側は心が折れますし、周囲にいる人たちも「自分も矢面に立たされたらどうしよう」と萎縮してしまいます。
結果として組織全体の雰囲気が悪化し、協働する力が削がれてしまうのです。
正論は確かに「正しい」かもしれません。
しかし、正しいからといって人を動かす力には直結しません。
むしろ正論ばかりを振り回す人は、人間関係の信頼残高を減らしていきます。
ここで大切なのは、正論そのものよりも「どう向き合うか」という態度なのです。
社内営業の視点から考える
社内営業という言葉を聞いたことがあると思います。
これは社外のお客さまに営業をするのと同じくらい、社内の人間関係に配慮し、自分の仕事を円滑に進めるスキルのことです。
正論を振りかざす人への対応も、この社内営業の延長線上にあります。
たとえば、相手が「その方法は効率的ではない」と正論をぶつけてきたとしましょう。
真正面から「でも私はこう思う」と主観で返してしまうと、ただの衝突になってしまいます。
ここで大切なのは、一度「なるほど」と相手の意見を受け止めること。
そのうえで「ただ、現場の状況ではこういう制約があります」と事実を淡々と示すのです。
正論には正論で返す必要はありません。
むしろ、相手の正論を「一理ある」と受け止めつつ、
自分の立場からの現実的な制約や代替案を共有する方が、結果的に周囲から「冷静に対応している人」という評価を得られるのです。
自己啓発の観点で学ぶこと
では、なぜ人は正論を振りかざしてしまうのでしょうか。
その背景には、不安や承認欲求があります。
自分の立場を強めたい、間違っていると思われたくない、周囲から優秀だと見られたい。
こうした気持ちが強すぎると、正論を武器にしてしまうのです。
ここから学べるのは、自分もまた同じ傾向を持っていないかを振り返ることです。
「相手を言い負かすこと」にエネルギーを注いでいないか。
「正しいことを言う」ことで自分を守ろうとしていないか。
自己啓発の一環として、自分の内面を客観的に観る機会になります。
そして、自分が逆に正論をぶつけられたときは、「これは相手の心の弱さの表れかもしれない」と解釈してみましょう。
そうすれば、感情的に反発するのではなく、一歩引いた冷静な態度で対応できるようになります。
実際の対応方法
正論を振りかざす人への対応を整理すると、次のようになります。
- 受け止める姿勢を見せる:「なるほど、そういう考え方もありますね」とまず認める。
- 事実を淡々と伝える:自分の主張を押し返すのではなく、現実的な制約や背景を補足する。
- 巻き込まれない:感情的に対抗すると泥沼化します。あくまで冷静に「翻訳者」のような立場を取る。
このように対応することで、正論を武器にする人とも距離を保ちながら建設的に仕事を進められるようになります。
正論を振りかざす人への対応は、論破し返すことではありません。
社内営業の一環として、相手の意見を認めつつ、冷静に事実を伝え、周囲の信頼を得ることが重要です。
そして自己啓発の観点からも、「自分も同じように正論で相手を追い詰めていないか」を振り返ることは大切です。
正論を超えて、共に成果を出すための関係性を築くことが、最終的にはあなた自身の成長にもつながるのです。





