セールスメンタルを鍛える暗記の極意

こんにちは。
毛利まさるです。

英単語ひとつ覚えるのに、こんなに苦労するなんて─セールスメンタルを育てる小さな挑戦

「昨日あんなに覚えたのに、もう忘れてる…」

学生時代、単語テストの前日に必死に暗記したのに、次の日の朝には記憶がスカスカになっていた。
そんな経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか。

記憶力が良ければよかったのに。頭がもっと良ければこんな苦労しなかったのに。

そう思ったあなたにこそ、いま一度、「英単語を覚えてみる」という挑戦をしてほしいと思うのです。

覚えるって、こんなに大変だったのかと思い出す

久々に英単語帳を開いてみると、まずそのページ数の多さに驚かされます。

さらに、意味を見て「はいはい、知ってるよ」と思っていた単語も、例文に出てくると途端に理解できなくなる。

この感覚、まさに「知っている」と「使える」の違いを痛感する瞬間です。

セールスでもこの感覚はまったく同じです。

「商品知識は研修で学んだ」「トークは聞いて覚えているつもり」

しかし実際の現場でそれが使えないというのは、結局“知識の断片”しか手にしていないからなのです。

単語の意味だけ覚えても記憶に残らない理由

たとえば “obtain”(手に入れる)という単語を覚えるとき、意味だけさらっと見てもすぐ忘れてしまいます。

しかし、次のような情報も一緒に覚えてみてください。

  • 例文:I obtained a license to practice medicine.
  • 発音:/əbˈteɪn/
  • 品詞:動詞(他動詞)
  • 類義語:acquire, gain
  • 反意語:lose

このように、その単語の周辺情報をセットで記憶することで、はじめて知識が「立体的」になります。

そしてその“立体感”が、記憶を助け、脳に長く残るのです。

「知っている」ではなく「思い出せる」ようになるために

ここでもう一つ重要なポイントがあります。

一度覚えただけでは、すぐに忘れるということ。

脳は“使わない情報”をどんどん捨てていく性質があります。
だからこそ、何度も思い出すプロセスが必要です。

これは「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれ、心理学の世界でも立証されている理論です。

つまり、「見た」「聞いた」「わかった」だけでは不十分なのです。

何度も思い出して、使って、再確認する

これが、記憶に定着させる唯一の道です。

セールストークも同じ。地味で反復的な道のり

この“地味な反復”は、セールスのトーク商品知識の習得にもまったく同じことが言えます。

あるトークが上手くいった。それを再現できるようにするには、どうすればいいのか?

そのトークをなぜ使ったのか、どんなタイミングだったのか、相手はどんな反応だったのか、

これらを毎回記録して、磨いて、また使ってみる

その繰り返しなのです。

だからこそ、英単語を覚えるという地道な作業は、セールスメンタルを鍛えるための最強トレーニングになります。

「できないことを、できるようにする」プロセスを、自分の手と頭で感じることができるからです。

“知っているだけ”では誰の心も動かせない

「説明は間違っていないはずなのに、相手に響かない」

そんな悩みを抱えた経験がある方も多いのではないでしょうか。

これは、相手の立場に立って説明ができていないことが原因です。

英単語も同じで、「意味は知っている」が「どう使うか」は知らない。

表面的な理解は、共感も納得も生み出せないのです。

英単語を覚えることは、共感力を育てること

結局のところ、どれだけ知っているかではなく、

どれだけ相手の言葉で語れるかが、セールスでは問われます。

そしてその力は、英単語を一つひとつ、丁寧に理解しようとする姿勢ととても似ているのです。

その単語が持つニュアンス、その場面に合うか、言い換えられるか

そんなことを考えるうちに、「伝える力」が鍛えられていくのです。